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63歳の惑い [お仕事]

  時節柄、こんな顔?・・・の拙者です。

 

拙者は建築会社の経営者、すでに30年を経過して、どうにか建築屋らしい顔に

なってきた。

その他に、『家づくり学院の理事長としての顔』がある。

 

今日は、「家づくり学院」の創設について、お話しましょう。


拙者は3年前に60歳の還暦を迎えました。

その少し前、鎌倉の或るお寺の住職と話をする機会があったのです。

 

住職曰く「人生には4つの時代があるのです」

「1つ目は、幼年期から少年期にかけて・・・親のお世話になる時代・・・これは

生まれてから、中学生いっぱいぐらいをいいます」

「2つ目の時代は、青年期。青春を謳歌して、自由奔放に生きる時代。高校生

~大学を出て、就職に至る頃でしょうか」

「3番目は、壮年期と言いますが、大いに稼ぐ時代です・・・結婚をして子供をも

うけ、仕事に集中して将来に備える時代を言います」

 

「そして、今、正にあなたの時代、昔は晩年期とも言いましたが、今ではそんな

ことは言えません、奉公期とでも言いましょうか?・・・つまり、『今までにあなた

が知り得たこと、身につけて来たことを、万人に教え示す時代』『世間に恩返し

をする時代』です。」

 

この言葉は単純な拙者の胸に、深く染みました。

 

還暦を迎えた日、赤い烏帽子やチャンチャンコは勿論のこと、お祝いは何一つ

要らないと思いました。

 

「湘南地域に最も合った正しい家造りの方法を、地元の方々に無償で教える学

校みたいなものを作りたい」

 

「建築会社の経営者であることは言うが、会社の名前は一切明かさない、なぜ

なら、仕事獲得のための学校だったら、人は耳を傾けてはくれないから」

 

「お金を貰わないで講義をする、年間100万円程度は出費があると思うが、そ

れは家計費を削ってやりたい」

 

「就いては、出費には遠く及ばないが、好きなゴルフは止める、仕事以外でお

酒を飲むことはしない」

 

家内とは、こんな話し合いが行われ、約束をして了承を得た。

 

拙者の奥方(久しぶりの言い回しです)も捨てたもんじゃありません。

素晴らしい『女っぷり』でした。

「どうしても、やりたいんでしょ?」言ったのはこの一言だけ・・・

 

そして「家づくり学院創設」に向けて走り出したのです。

早速、資料づくりを始めました。

できあがった資料を携えて最初に訪ねたのは、Y市建築事務所協会会長のY

氏。

快く学院長を引き受けて貰いました。

インテリアデザイナーや不動産コンサルタント・税理士・水廻りスーパーアドバイ

ザーの皆さんにも無償での講義をお願いして廻りました。

 

快く引き受けてくださる方、「無償じゃねー」と渋る方と、色々でしたが最終的に

そろった講師陣は皆さん、拙者の意向に賛同してくれた、無償で講義をしてくだ

さる方ばかりでした。

無論、拙者も講師陣の一翼を担っています。

 

さて、本当に大変だったのはここから。

会場の確保に始まって、講師陣の予定の調整にも苦労しましたが、最も大変

だったのは受講者をどうやって集めるか?

 

新聞折り込みは何度やっても応募者がなく、タウン誌への広告、更には大新聞

への広告へと湯水のようにお金が流れていきました。

 

今でも受講者集めには苦労をしています。

 

こうして始めた「家づくり学院」ですが、今、大きな岐路に差し掛かっています。

 

ここへ来て、無償での講義に異論を唱える方が出てきました。

講師陣の間に、不協和音が聞こえてくるようになったのです。

今、根本からの建て直しを図るべく、考えあぐねている拙者です。

 

拙者の方向性は間違っているとは思いません。

一度全てを解体して、一から出直すことも選択肢に含んでの検討をしています

が、実際のところ迷っています。

 

拙者のブログをお読みになっている方々から、受講者集め・学院のあり方・運

営方法などについて、良いアドバイスを戴けたら光栄なんですが・・・。

63歳の惑い・・・いくつになっても迷いは尽きないものですねー。

 


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浜松自宅カフェ

設立の理念を読み、とても共感しました。読みながら「無償で上手く行くかな?」
とも感じました。僕も無償で庭の図面を描いたことあるのですが、その人は結局
庭の工事をしませんでした。
家作り学院では、きっと本当に役に立つ話をしてくれるのだと思います。
それだけに「無料で教えてもらって良いの?」「何かあるんじゃないの?」って
思われ(僕ならそう思うから)逆に足が遠のくではないか?って感じました。

これまで来ていただいたお客さんの反応はどうなのでしょうか?楽しんでもらえた
でしょうか?また来たいと思われたのでしょうか?
家作りの勉強を本気でしたい人=本気で家作り、リフォームを考えている人では
ないでしょうか?そうなると、その人達の要望に応えてあげるのが、最終的な
満足になり、リピートやクチコミをしてくれるのではないかな?と思います。
今、お施主さんと打合せをしていて、そんな風に感じています。
by 浜松自宅カフェ (2006-10-03 14:58) 

hidenosuke

お久しぶりです。
私も浜自カフェさんと同様の意見です。
人間面白いもので、「無料」だと「何かウラがある」と勘繰ってしまうのではないでしょうか?
また、「無料」並みの講義内容だろうと考えてしまうかもしれません。
身近な例で言えば、無料プロバイダーがさして流行らないのも根本は似たような理由だと思います。
ここは、思い切って「適正価格」を頂戴して、それを運営費に充ててみてはいかがでしょうか。
申し込む方も、「お金を払ったのだから、真剣に貪欲に払ったもの以上の内容を引き出そう」と考えるのではないかと思います。

好き勝手に意見を述べましたが、その理念が「真剣に家作りに取り組もうとしている方々」に浸透することを願ってやみません。

失礼しました。
by hidenosuke (2006-10-03 16:46) 

アキラ

浜松自宅カフェさん
貴重なご意見、ありがとうございます。
鋭意検討して、ご意見を生かしたいと思います。
全6回の講義期間が終わる際には、必ずと言っていいほど感謝の言葉と贈り物をいただくんですがねー。
いつもナイスをありがとうございます。
by アキラ (2006-10-04 10:12) 

アキラ

hidenosukeさん
ナイスと貴重なコメントをありがとうございます。
適正価格・・・困りましたネー。
近隣市内で全国組織のセミナーを有料でやっているところがありますが、1日3時間、全7日間で7000円です。
私は、3時間×6日ですから、6000円をいただこうかとも考えたのです。
しかし、1回に10人ほどしか集まりませんから、会場費にも足りません。
それならいっそのこと、ただでやっちゃえ!と相成った次第です。
お金を貰っても、貰わなくても教えることは同じですから。
いただきましたご貴重な意見は、鋭意参考にさせていただきます。
ありがとうございました。
by アキラ (2006-10-04 10:22) 

かな

アキラさーん! かぼちゃ顔なのですか!?
思わず笑ってしまいました(^-^)
私は、アキラさんのように人生経験も知識もない平凡な主婦です。
アドバイスなどとても出来ません。
いつも、いろんなことをお勉強させていただいているのですから・・・
私の思ったことを... 主婦は、無料という言葉に、とても惹かれます。 
でも、最近は「タダよりこわいものは無い」と考えるようになりました。 
私でしたら、きっと受講料を徴収してしまうでしょう… その方が、より良い講義ができるのでは?と思ってしまいます。
人間は、報酬がないと無意識に仕事の手を抜いてしまうことも。 
主婦はお給料が無いから、ちょっと今日は手抜き料理~となるのかも(笑) 
言い訳ですね・・・(反省) ※稼いでくれる旦那さんに感謝! 
この記事を読ませていただいて、とっても「素敵!」と思ったのは奥様の『女っぷり』です(^▽^)ノ 素敵です・・・と一言お伝えください。
by かな (2006-10-04 18:29) 

アキラ

かなさん
コメントとナイスをありがとうございます。
色々と考え中です。
家内には申し伝えます。ありがとうございます。
by アキラ (2006-10-04 19:29) 

cuvesx

皆さんそれぞれが一国一城の主みたいな方なのでしょうから・・
強烈なリーダーシップを発揮される方ではなく緩衝材を買って出てくれる方がいらっしゃると良いですよね
by cuvesx (2006-10-06 23:21) 

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