SSブログ

大工さんの日 [湘南の家づくり]

img024.jpg 曲尺を持った聖徳太子

ここのところ、大工について書いています。

そこで書きついでに、もう一つ・・・


建築関係者でも『大工の日』があることを知らない人がいます。

「え?!大工の日って、日曜日でしょ?」なんて言わないでくださいよ。

日曜日にやるのは、素人の『日曜大工』でしょ?

私が言いたいのは、本物の「大工の日」なんですけど~^^




大工の日は、「日本建築大工技能士会」という団体が1999年(平成11年)に

制定しています。

その日は聖徳太子の命日、11月22日です。

聖徳太子といえば、必ず『お金に関係する』のではありません。

『大工は儲かるから、聖徳太子にあやかったのだろう?』などと、うがった見方は

しないで下さい。


なぜ大工の日に聖徳太子が関係するかと言えば、次のような理由から。




聖徳太子は、百済から来て日本最古のお寺、飛鳥寺を建てた大工に教えを受けて、

法隆寺を建立しました。

その時に曲尺(かねじゃく)の使い方を教わって、世の中に広めたようです。

そのため聖徳太子は、「曲尺導入の祖」と言われているのです。


『曲尺は大工の命』ということで、大工の日は「聖徳太子の命日」になったのだそうです。


11月が「技能尊重月間」であること、十一を縦に組み合わせると「士」となることも、

その理由の一つだそうです。


大阪の四天王寺には、番匠堂(ばんしょうどう)というお社があり、

そこには、曲尺を持った聖徳太子が祀られています。

毎年11月22日の聖徳太子の命日には、多くの建築関係者が集って法要が行われています。


大工はあまり「かねじゃく」とは言わず、「差し金」といいます。

裏で糸引くとか人をそそのかす・・・なんて意味もありますが、大工が「使う差し金」の意味は

そうではありません。

曲尺は材木や板に印を付け、寸法を出し、そして『刻み』の指示をするための

印をつける道具です。

墨つけが出来るのは、建築工事の全てに卓越した知識と技術を持つ『匠』だけです。

これから建てようとしている家の全てが、頭に入っていないと墨付けはできません。

ということから、私は『指示をするための、直角定規』と言う意味での『差し金』

だろうと思っています。

因みに、今でも大工は、直角の事をカネと言います。



現在では、、まともに差し金を使えない大工も増えており、昔ながらの「木造建築」や

「古い家屋の移築」が出来る大工が少なくなっています。



「大工の日」は、正式には『大工さんの日』です。

「さん」がついているだけで、大変な修行をしてきた人への「敬意」を感じて、

何となく、ほのぼのと心安まる思いがするのは私だけでしょうか?



nice!(7)  コメント(9) 
共通テーマ:インテリア・雑貨

nice! 7

コメント 9

ijimari

☆いえ、むしろ、大工様と呼びます!!
いいふうふの日が大工様の日だったなんて。。。
勉強になりました!
ありがとうございます!
by ijimari (2008-08-29 01:36) 

一真

お話を楽しみにしています。
by 一真 (2008-08-29 07:37) 

浜松自宅カフェ

11月22日が聖徳太子の命日だったとは知りませんでした。
どうも日本は職人さんと言うか身体を張って仕事をしている人に対する
尊敬と言うか敬意の念が薄いと思うんです。
しかし、それも職人さんの仕事を見たことがないからと言う人も多いです。
職人さんの仕事を見て感動した若いお施主さんも多いですからね。
by 浜松自宅カフェ (2008-08-29 10:52) 

mappy

60歳を過ぎたら大工さんのお手伝いをしたいと思っています
よろしくお願いいたします
by mappy (2008-08-30 08:25) 

アキラ

ijimari さん

「いい夫婦の日」なんて日があったんですね~。
私たち夫婦には、確立38.8%の割合で、まもなく「離婚の日」がやってく来ます・・・な~んてね!


by アキラ (2008-08-30 08:47) 

アキラ

一真さん

いつも拙い文で、たわいもないことを書き連ねております。
建築会社を経営していますので、たま~に家造りのポイントみたいなことも書いていますが、殆どは下らない日常のできごとです。
ご期待には添えそうにありませんが、なんとかやっていきますので今後とも宜しくお願い致します。
by アキラ (2008-08-30 08:50) 

アキラ

浜松自宅カフェ さん

子供の頃、近所の新築現場に毎日通っては大工さんの仕事を見ていました。
当時は加工場なんて無かったのでしょうね、
現場で刻みからやっていました。
手板に描いた平面図を見ながらの墨付けもみていました。
「おい、ぼーず!大きくなったら大工さんになるのか?」と、かからかられながら・・・
実は、毎日出る「木っ端」がほしかっただけなんですがね^^
by アキラ (2008-08-30 08:56) 

アキラ

mappy さん

60才はまだまだ若いですから、大工さん手伝って貰ったら、きっと喜びますね~^^。
是非とも、そう為さって下さい。
ナイス・コメント有り難うございます。
by アキラ (2008-08-30 09:00) 

アナログ侍

アキラさん
初めまして。
非常に興味深く記事を拝見
させて頂きました。
by アナログ侍 (2013-11-20 18:59) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

『匠』(たくみ)トラウマ?! ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。