頑固者 [孫]
家に帰ると、玄関に小さな靴が揃えてあった。
孫に会うのは久しぶり。
明るい笑い声がするリビングのドアを開けると、こちらを振り返った孫はジ~ッと
私を見つめる。
そして、ニッコリ笑って「おじ~ちゃんっ!」
トコトコと歩いてきて、立っている私の脚にしっかりと抱きつく。
私を指さしてママに教える「おじ~ちゃん」「おじ~ちゃん」・・・「おじ~ちゃんっ」
君に教えて貰わなくても、「ママは私が君のおじ~ちゃんだと言うことを知ってる」のに、
「そーね!おじーちゃんよね」と、ママが返事するまで何度も何度も・・・
いつの間にか沢山の歌も覚えていて、唐突に自分勝手に歌い始める。
「いーとーまきまき、い~と~まきまき」「大きな栗の木のしたで~」
「む~す~んでーひ~ら~い~てー」「どんぐりやまの~タヌキさん~」
手振りも堂に入ったもの・・・歌う歌の音程はしっかり合っている。
きっと、私に似たのだろう・・・な~んちゃってエヘヘ。
言葉もどんどん喋るようになったが、聞いていても解るのは短い単語だけ・・・
長々と話す孫語は「まだ何を言っているのか?」チンプンカンプン。
孫と二人で散歩に出かけた。
手を引いて少し歩くと、私の前に立ちはだかって「だっこ!」
いつの間にか、凄い甘えん坊になっていた。
「だ~め!お手々つないで歩こうね」「やだ!」・・・「歩こ!」「やだ!」
『やだ!』だけは、いやにはっきり発音する。
『この頑固者め!』と・・・「じゃ~、おじいちゃんは、先に行っちゃうよ!」
数歩歩いて、『孫は?』と振り返ると、孫は背中を見せて仁王立ち。
こちらが「痺れを切らして、近づく」のを、いつまでも後ろ姿で待っている。
『よ~し!いつまで粘れるか、そ~していなさい!』
孫との我慢比べ・・・孫は泣くでもなく、振り返るでもなく・・・5分、7分。
言うことを聞かないことでもあったのか?・・・庭に出した。
娘が3歳ぐらいの頃だった。
もう夜で、外は真っ暗。
謝るでもなく、こちらを睨んで「プ~っとふくれっ面」で立っている娘に
「外にいなさいっ!」ドアを閉め、鍵を掛けても娘は泣かなかった。
暫くそのままにして、ドア越しに外の様子を窺ってみるが、全く気配がない。
心配になって出てみた。
見廻してみても娘の姿は見えない・・・『一寸焦った!!』
探すと当時バイクを入れていた庭の隅の小屋の中で、「すやすや」と眠っていた。
孫の頑固さは娘譲り?!
『おじ~ちゃんは、君のママで「もう経験済み」だもんね~!』
「ちっそやそっとじゃ、参らんゾ!」
待つこと、10分超・・・こちらを振り向くと、ニッコリ笑って駆け寄ってきた。
『ど~だ!勝ったぞ!』・・・が、暫く歩くと、又私の前に立ちはだかり、
脚にすがって「だっこ!」
頑固者との我慢比べの繰り返し。
小さくてもしっかり人格が形成されているんですね、泣かない所がさすがアキラさんのお孫ちゃんですね。
気になっていました、蓄膿の方は大丈夫ですか?
by myumyu (2008-11-26 20:33)
素敵な光景です^^
純粋な愛情が伝わってきます^^
そうそう ↑ 手術・・気になってます
by denn (2008-11-27 05:09)
うちでもお爺ちゃん(つまりは私の父)に言わせると、「意地くそな所は父ちゃんそっくり!」だそうです。
お婆ちゃんはそれを聞くと即座に父に向かい、「アンタも同じだ!」とのことです。
性格って、ある程度遺伝するのかもしれませんね。
PS.
そんな長男に対して私は「男は意地くそなくらいがちょうど良い」と弁護してしまい、妻や長女の不興を買っています。
by たいせい (2008-11-27 11:50)
私の小さい頃は「聞き分けのいい、とってもいい子」でした(な~んて^^)
孫は頑固で意地っ張り・・・私とは少し違うような気がしないでも・・・
市大病院は、用心深くて色んな検査をされています。
既に耳鼻科教授の問診・心臓・肺機能・血液・小水の検査・麻酔医の問診・等を終えました。
静脈瘤の検査が残っていますが、手術は年明け早々になりそうです。
ご心配、有り難うございます。
by アキラ (2008-11-27 12:00)
denn さん
娘ではなく、孫ですから責任がない分楽ですね^^
手術は、「年末ぎりぎりにやって、正月は一端帰宅し年明けにもう一度入院する」か、それとも「年明けから入院するか」どちらかを選べ・・・と言われましたので、後者を選択することにしたいと考えています。
遅くとも、11月中には手術し、退院出来るかと思っていたのですが、大分当てが外れました。
息子と娘に新たな命が一人ずつ産まれることになっています。
丁度入院中にならなければいいが・・・と考えているところです。
ご心配をおかけして済みません。
by アキラ (2008-11-27 12:08)
たいせい さん
性格は確実に遺伝しますね。
子どもは自己主張するには「いじくそ」(意地っ張りなことだと解釈していますが)ぐらいでないといけないのではないか?と思います。
特に男の子にとっては、大事な事ではないでしょうか?
だいせいさんのお宅は、すくすくと、いいお子さんに育っているのを見させて戴いて、育て方がうまいな~と関心しています。
by アキラ (2008-11-27 12:17)
読んでて笑顔になってしまいます。
子供が話すのって何言ってるか
わからないけど、いっしょうけんめい
話てるんですよね。
下の娘もなにかしら話してます。
こっちが「うんうん、そうだね」って言うと
ニコニコしてます。
by TOMO (2008-11-27 14:52)
盛んに何やら「独り言」を言ったりしています。
「おじーちゃん、いた!」とか「ママ行っちゃった!」等は聞いても解るのですが^^;、話す言葉の半分以上は『孫語』でさっぱり通じません。
コチラが理解できないでいると、同じ事を何度も何度も言うのです。
解って上げられなくて困ります^^;
by アキラ (2008-11-27 18:14)
言うことなしです。
お幸せですね。あはは。
by toyo (2008-11-27 22:01)
お孫さん、もう、おしゃべりできるようになったのですね。
そうそう、ママが通訳しないと誰もわからない頃ありましたね。
懐かしいです。
下の娘のときは、お兄ちゃんが全部通訳してました。
お孫さんとのやりとり、ほほえましいですね。
by いくらどん (2008-11-28 09:28)
toyo さん
孫との散歩、こんな小さな事が幸せなんですね~。
これからも頑固者の孫と、意地の張りっこをしていきます^^;
by アキラ (2008-11-28 11:18)
いくらどん さん
子どもの成長なんて、速いものですね~^^
でも、何を言っているのか?
一生懸命に訴えてくるのに、理解出来ないことの方が多いのです。
意志ははっきりしていて、「嫌なことは絶対に嫌で頑として動かない、いいことには「こっくり」と首を縦に振ります。
by アキラ (2008-11-28 11:24)