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木の話 第二話『木の節』 [湘南の家づくり]

生き節・死に節.jpg 右上は生き節  左下は死に節

今日は皆さんが余り知らない『節』について書いてみましょう。


自然素材の使用がブームとなっており、床や壁・天井などにも「無垢の板」を貼るお宅が増えてきました。
最近ではネット販売をしている業者などもあって、素人でも無垢材が容易に入手できる環境が整っています。
しかも施主の嗜好の多様化で、「節」を見せる作り方が多くなっています。


節のある材として、最も良いのは『生き節』です。
生きた枝から生じた節で、廻りの組織と連帯している「健全な節」で、
腐れや抜けがありません。別名を「堅節」とも言います。

材の面からは見えない、又は節として認められない節もあります。
これは『隠れ節』と言って、これがあっても材としては良いとされています。

『葉節』と言う節がある材も良い材に含まれます。
葉っぱが付いていた跡(?)のように見える、色がごく薄いものや細かなものを言います。

楕円形の『丸節』は枝の横断面が見えている節で、あまり大きくなく抜けやガタつきがないものは、
やや良い材に含まれます。
斜め上方に枝が伸びるので、板材として製材されると楕円形の節となります。


死に節.jpg 死に節の抜け節

『死に節』は枝が枯れた状態で幹が大きくなってできた節です。
廻りの組織との連続性がなく、材としては大きな欠点となります。

「死に節」が材の乾燥と共に抜け落ちて穴が空いているものを『抜け節』といい、
これが認められる材は材としての価値がありません。

枝が幹に寄り添っていて、幹に取り込まれた節を『流れ節』といい、枝の横断面が長く伸びた状態の節です。
材としては一見良さそうですが、加工がしづらかったり割れたりしますので、よくありません。

『腐れ節』又の名を「節腐れ」とも言います。
枝は払いが行われない為に枝が腐ったまま放置されていた節で、
穴が空いたり、抜けそうにガタついている節を言います。


材木の節は「枝があった場所」にできるもので、節も多様です。
「節」には様々な形状や性質があって、素人が見極めるのは至難の業ですし、
材を手にとって見ることが出来ないネット販売では、
質の悪い材を専門に販売している業者もあります。

間伐材などの若い木から取った板は、材の中に水分を含有しており、
乾燥と共に大きく反ったり割れたりします。
若い木から取った板材を、完全に乾燥させないで(乾燥する前に)
販売している業者も存在しています。

ネットで「底値で買えた」と思って喜んでいると、
工事が終わった後で思いがけない事態に遭遇して
「泣きを見る」ことになり兼ねません。
『値段だけが勝負であるかのようなネット販売』の落とし穴に嵌らぬ知識も
大事な時代になりました。

専門家は材の見分けで干渉することで、生き残る道があるような気がしています。
その意味からも、私達は「専門家としての目」を充分に養っておく必要がありそうです。


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木の話 第一話『無垢材』 [湘南の家づくり]

檜.jpg

一口に『木造住宅』と言っても、家の骨組み材(構造材)に違いがあるのをご存じですか?

最近の木造住宅の骨組み(構造材)は、「曲がらない」「反らない」「割れない」「均一性が保てる」
という『集成材』が主流です。

『集成材』とは1cm~3cm程度に薄く挽いた板の繊維方向をそろえて、接着剤で貼り合わせた木材
のことを言います。

節や年輪の影響を受けにくく、均一な性能が得やすいことが特徴です。
電気などを使って、強制的に乾燥させた材が多く使われており、水を吸いやすいといった特徴もあります。
構造材の柱などに使われている集成材には柔らかい「スプルース」などの白い木が多いのです。
そのため、一端水分を吸って「腐れ」が生じたり、シロアリに喰われる「蟻害」に会うと、
非常にもろい面もあります。
化学物質の接着剤を使用しており燃えやすく、薄板の張り合わせであることから調湿性に劣ることも
その特徴の一つです。
私は湿気が多い我が国では、「使うこと自体が問題」だと思っています。


私が勧める無垢の木(無垢とは混ざり気がないという意味で、1本の木を製材した材木のことをいいます)は、
木材本来の質感、風合いという魅力に加えて、化学物質を含まない自然素材であるという魅力があります。

しかも、調湿作用があり、湿気の多い日は水分を吸収し、乾燥している日は水分を放出して
湿度を一定に保ってくれる性質があります。
建坪30坪程度の木造住宅の構造材を無垢材にするだけで、ドラム缶3本分以上の水分を吸ったり吐いたり
出来る力があります。

無垢材は切られて製材されても生きており、製材から時間が経つほど木質内部のセルロースが結晶化して、
材木としての強度を増して行く・・・という余り知られていない驚異の性質もあります。
家を建てて80年も経った構造材が音を立てて割れることがありますが、これも「まだ生きている」証拠なのです。


日本は3日に1日は雨が降り、梅雨や春秋の長雨もあって湿気が多い国です。
昔の家は腐らないのに、現在の家はすぐに腐ってしまう・・・その理由の一つがここにあると思っています。
しかも、無垢材はグラスウールに勝るとも劣らない「断熱性能」も併せ持っているのです。

このように書くと「無垢材はいいことづくし」のようですが、欠点も無いわけではありません。
水分の吸放出に伴って、材が「縮む」「膨らむ」という性質があり、多少の「反り」や「割れ」も生じます。


木造住宅は『火に弱い』との理由から、敬遠する方がいます。
しかし、これは「木は燃える」ことから発想された「大いなる勘違い」なのです。

木材は確かに燃えますが、外側だけが炭化して内部まではなかなか燃えません。
これは「無垢の材についてのみ言えること」で、「集成材には当てはまりまりません」
集成材は薄い板と接着剤ですから、簡単に中まで燃え尽きてしまいます。


最近の家は木造でも外壁や屋根などに防火材が使用されており、
外からの「もらい火」には非常に強くなっています。

問題は内部から火事になる「自家出火」です。
『無垢の構造材で建てた木造住宅』は、芯まで燃えず、逃げ出すまでの時間を充分に稼いでくれます。
『集成材を家の構造材とした場合』に自家出火したら、家の倒壊を早めるような気がしてならないのです。

火に強いと思われている鉄骨は、燃えこそしないものの熱に弱く、
「すぐに曲がって」家が崩れ落ちる驚異に曝されることにもなりかねません。

日本の気候特性を考えた場合、どのように考えても『無垢材に勝る構造材は見あたらない』
のが実状です。



明日は『木の節』について書いてみましょう。


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三隣亡 [湘南の家づくり]

koyomi.JPG  カレンダーには書かれていませんが・・・


建築基準法で決められた道路復員がないなどの理由で、

「住んではいるが家の建て替えが出来ない」という場所に建っている家もあります。

今回、そのような古い家の改築を請け負うことになりました。

今風に住みやすくするには、やむを得ず「柱残し」で「間取りを変え」て、

「内装・外構装をすっかりやりかえる」しか方法がありません。



ところで、皆さんは『三隣亡』(さんりんぼう)という言葉を聞いたことがありますか?

私が独立した頃には、よく耳にしたものでした。

「三隣亡の日に建前(上棟)をしたり、大工仕事をすると3軒先まで滅ぼす」

と言って、当時の年輩の大工さん達は『仕事を休んだ』ものでした。



調べてみると・・・江戸時代の本には「三輪宝」と書かれていて

「屋建てよし」「蔵建てよし」と記されていたようです。

現在とは正反対の『建築関係の吉日』だった訳ですが、その後の暦の編者が

「よ」を「あ」と書き間違え、「屋建てあし(悪し)」「蔵建てあし(悪し)」と伝わってしまった。

のだそうです。


字面も「目出度い意味の三輪宝」が凶日では可笑しい・・・ということで「三隣亡」になったようです。

三隣亡になってからは、『建築関係者の大凶日』とされ、「着工や棟上げなど建築に関すること」は

一切やってはいけない日だと言われて来ました。




来週の月曜日(18日)に内装の解体から着工する段取りを整えていましたが、

今朝、大工さんから連絡がありました。

「18日月曜日には、着工出来ないよ・・・その替わり、明日の日曜日に一寸だけ

手を掛けさせてください。ついでに『水廻りのお祓い』もしておきたいので・・・」



着工できない理由は、18日が「三隣亡」に当たるから・・・

久しぶりに聞きました・・・『三隣亡』という科白。


今回は、古い造りの家ですから、現代の若い大工さんでは手に余ります。

そこで、年輩者でチームを固めてやるつもりをしていたのですが、

古い大工の世界では、相変わらず「三隣亡」が生き続けていたようで・・・



無理に押して、怪我でもしたり近所で不幸があると「それ見たことか?」

と言われます。


「解った!じゃ、明日着工ということで頼む!」

これで、大工さんも気持ちよく仕事が出来ることでしょう!


この他にも、「大安」だとか「上棟吉日」だとか『暦を気にしながら仕事をする』業界。

今回は思いがけず『迷信の最たるもの』を思い出した一件でしたが、

私達は今でも、このような『一寸笑ってしまう業界の風習』を気にしながら仕事をしているのです。


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「モルタル」の知識 [湘南の家づくり]

クラック.jpg


『モルタル』とは、「砂」と「セメント」を「水」で練って作られた「建築材料」です。

一般的には、セメントと砂とは重量比で、1:2~1:3の割合で混合されます。

ペースト状で施工性が良く、建築現場で混ぜて作ることが可能なので、外壁下地・目地材・

コンクリート面の仕上げや調整などに多く用いられています。



とろ舟.jpg 「とろ舟」

気を付けなければならないのは、「手捏ね」されたモルタルです。

建築現場では「とろ舟」と呼ばれる、「プラスティック製のバットのお化け」みたいな、

長四角の浅い箱にセメントと砂を入れて、水を差しながら「鍬」でコネているのを見かけます。

このようにして作られたのが「手捏ね(てごね)」されたモルタルです。


セメントと砂が均等に混ざり合っていないモルタルは、密着性に問題があります。

「たかが、捏ねるだけ」と、不慣れなアルバイトなどにやらせると、よく混ざり合っていないモルタルが

出来上がってしまいます。

ですから、現場では極力「小型のモルタルミキサー」を使って混ぜ合わせます。

ミキサー.jpg  小型の電動モルタルミキサー



建築関係以外の方は、コンクリートとモルタルの違いが分からないようで・・・

「コンクリート」との違いは、骨材(砂利)が入るかどうか(?)です。

コンクリートには砂利が入りますが、モルタルには入れません。

モルタルには、乾燥時に『収縮ヒビ』を生じるという『宿命』があります。


木造住宅では、開口部(窓など)の四隅から放射状のヒビが入ったり、

タイルを貼った壁で、中に柱が隠れている部分によくヒビが入ります。

窓廻りも柱の部分も重要な箇所で、ヒビが入って万一雨水が侵入すると家自体の劣化を招きます。


モルタルを塗る際に、板状に成形されている「ラス○ット」という製品を使う工務店があります。

表面が凸凹に加工された板状の建材ですが、これを使うことで、「モルタルの下塗りまでが省ける」ので、

急ぐ現場で(?)よく使われていますし、よく勉強をしていない工務店も使っているようです。



木造は地震等で構造自体が動きますので、「ラス○ットを」外壁に使用すると、

板の継ぎ目でヒビが入りやすいという特徴があります。

そのため、良心的な工務店は「ラス○ット」を使うにしても、面積が少ない内部だけで外部には使いません。

メーカーの売り文句は、壁に使うと「地震に強い」ということですが、地震の前に家が腐ってしまっては

「地震に強い」も意味がありません。


ではモルタルを塗る場合の下地としては、何を使えばいいのでしょうか?

一般的には、「波形ラス」と呼ばれる「金網」を張り巡らします。

その上にモルタルを塗り重ねるのですが、通常は「下塗り(ラスこすり)」・「中塗り」・「上塗り」と

左官職人が、何回も「乾いては塗り、乾いては塗り」と、コテで塗り重ねます。


家を建てる地域によって、「耐火構造」 「準耐火構造」 「防火構造」などと規制されていますが、

外壁のモルタル塗りは「耐火構造」には、使用できません。

外壁にモルタルを施工できるのは、「準耐火構造」と「防火構造」で、それぞれモルタルの厚さが20㎜以上、

15㎜以上と決められています。



私達はリフォームなどで外壁を解体することがありますが、「規定の厚さ」を守ってモルタルが塗られた家は

皆無に近いのが実状です。

『新築時の「現場監理が、如何ににおろそかに為されているか」を物語っている』と思っています。


建物の周囲において発生する「通常の火災」による熱が加えられた場合に、

「加熱開始後20分間は構造耐力上支障のある変形・溶融・破壊・損傷を生じてはいけない」

ことになっています。

外壁においては、この他に「加熱面以外の面の温度が可燃物燃焼温度以上に上昇しないものであること」

の規定がありますので、これをクリヤーするためにモルタルの厚さが決まっているわけですから、

決められたモルタルの「厚さ」を守ることが重要です。


『透湿防水紙』が出てくるまでは、どこの現場でもラス(金網)の下には『アスファルトフェルト』を

貼っていたものです。

新築現場を眺めていると、壁面にモルタルを塗る前の防水処置として「タイ○ック」などの『透湿防水紙』

を貼っている現場をよく見かけます。


アスファルトフェルトの色は「黒」で、透湿防水紙は一般的には「白い紙」ですから、

遠目でも一目瞭然で判ります。

モルタルの下に『透湿防水紙』を貼ると、何故かモルタルの密着度が悪く「モルタルが浮く」のです。

そのため、モルタルの下地の防水紙は、昔通りの黒い『アスファルトフェルト』とするのが正解です。


外壁がモルタル下地の場合、モルタルは「セメントと砂」ですからそのままでは雨水を吸い込みます。

従って、モルタルの外壁は必ず「防水の意味での塗装」が施されています。

ここで間違って戴きたくないのは、モルタルの外壁に塗られる塗装は「防水の意味での塗装」であって、

「美観のための塗装」ではない・・・ということです。

今から10年~15年ほど前に、『弾性塗料』という塗料が流行りました。

これは、塗装面(外壁のモルタルなど)にヒビが入っても、「ヒビに追随して伸びる性質を持っている塗料」です。

当時は、モルタル面のヒビを隠してくれるので、殆どの塗装屋さんが重宝してこれを使いました。


今、この「弾性塗料」が問題になっています。


塗膜が劣化すると雨水を吸い込むのは他の塗料と同じですが、弾性塗料が塗られたモルタルには

「必ずヒビが隠れている」ということを忘れてはいけません。

弾性塗料が塗られているにも拘わらず、外壁に凹みなどの異常が出てきて塗膜を剥がしてみると・・・

1㎝以上も幅がある大きなヒビ(こうなるとヒビではなく、割れ目です)が出現して、驚いたことがあります。

つまり、弾性塗料は1㎝を越えるようなヒビにも追随して、ヒビ(割れ目)を隠してくれていたのです。



外壁などに塗られた「塗装の塗り替え時期」をしっかり把握していると、外壁からの「雨水侵入」の懸念が

解消されます。


チョーキング.jpg チョーキング現象です。

塗装の塗膜は、劣化すると必ず『チョーキング現象』を起こすものです。


『指を開いた掌を強く外壁に押し当てて、そのまま横にずらすと「白い粉」が掌に付く』 ことがあります。

このように、「チョークの粉が手に付く」ような現象を『チョーキング現象』といいます。

美観上なんら問題がなくても、チョーキング現象が発生していることがあります。

チョーキングが起きている状態の塗膜は劣化が進んでいて、既に「水を吸い込む状態」になっている

ことを表していますので、「雨水侵入の有無の調査」と、「今すぐの塗り替え」が必要です。



「ラス○ット」にしろ「タイ○ック」にしろ、はたまた「弾性塗料」にしても、その時代、その時代の『新製品』です。

新しい物に挑戦するのは、決して悪いことではありません。

しかし、使ったらその後放置するのではなく、『その後の検証が必要』です。

それこそが、『プロフェッショナルとしての、責任ある仕事に取り組んでいる姿勢』なのです。




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三物建設株式会社は、湘南(茅ヶ崎 逗子 葉山 鎌倉 平塚 藤沢) エリアを中心に、マンションリフォームからペットリフォームまでお客様にとって最高の 「暮らし」をご提案いたします。

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窓サッシと雨じまい [湘南の家づくり]

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昨日は節分。
豆まきはやりましたか?

我が家には、出産した娘と孫が来ています。
上の孫は2歳・・・『今風』に豆まきをやるとしたら、『私が「鬼の面」を被って逃げ回り、孫が豆を投げつける』と
いう図になるのでしょうが、我が家の豆まきは例年通りの『昔風』でした。

玄関ドアを大きく開け放ち、家長である私が外へ向かって「おには~そと~!」と3回、
家の中へ向かって「ふく~は~うち~!」と1回・・・出せるだけの大声で発声しながら豆を撒きます。

「父親が鬼になって、痛がる」・・・こんなことから、将来子供が親をナメたり、バカにするようになるのだと
思っていますので、おじいちゃんがこの家の家長であることを今のうちから植え付けることも含めて。。。




さて、今日の本題はサッシです。

今から35~40年ほど前に建てられた木造住宅には、当時としては「はやり始め」だった
『住宅用アルミサッシ』が取り付けられるようになりました。

また、家を建て替えるまではしなくても、それまでの『木製サッシ』を『アルミサッシ』に替えた住宅も多くあって、
そのような住宅の一部は、今でもそのまま使われています。

現在では用途に応じて『内付けサッシ』『半外付けサッシ』『外付けサッシ』の種類がありますが、
その当時には『内付けサッシ』しかありませんでした。

サッシの枠が構造の柱の内側に全て入るのが『内付けサッシ』で、サッシの下端に「水切り」が必要なサッシです。

和室で内障子を付ける時には、柱の位置に障子の鴨居や敷居を取り付けますので、
サッシは全部柱の外側に逃げて取り付けなければなりません。

現在と違って当時は和室が主流でしたから、大工さん達はアルミサッシの取付に、大変な苦労をしました。
何しろ、『内付けサッシを無理矢理外付けする』ことになるのですから、雨が漏らないようにする(雨じまい)は
一大苦労でした。

サッシ枠の見込み寸法はおよそ7㎝ほどありますので、柱の外側に取り付けると、
壁の面よりもサッシが大きく外に飛び出す計算になります。
そこで大工さん達は、サッシのぐるりを別の木材で囲む必要にも迫られました。
その際に板金屋さんが、その木材部分をトタン板や銅板などで「くるむ」現場も数多くあったのです。

今、このような住宅の改修工事を請けると、思いがけず大変な工事となります。
『内付けサッシを外付けした』雨じまいの悪さから、サッシ廻りの構造材まで酷い傷みが生じているのです。

板金でサッシのぐるりを囲んだ家ほど、板金の内部の木材が腐っています。
そしてサッシ自体は、『よく外れずにくっついていた』と思うほど、取り付けられた柱まで腐っていたり
シロアリにやられたりしているものです。

現在では柱の外側から、ほぼ4㎝近く外へ持ち出して、外壁材との取合が最も簡単な『半外付サッシ』が主流です。
和室の内障子を入れる場合には、『外付けサッシ』を選定できますので、雨じまいも簡単に施せるようになりました。

しかし、現在でも「施工者の無知による施工上の誤り」や「手抜き工事」が主因だと思われる、
窓廻りからの雨の侵入は以外に多く見られます。

現在のサッシは水密や気密に優れていますので、サッシ下端の水切金物や雨除けの小庇が不要になり、
デザイン的にもスッキリした感じに仕上げることができるようになりましたが、
その分サッシ廻りの防水措置には充分に気を付けて施工する必要があります。

少し専門的になりますが、最近の新築などで、壁の下に貼られる白い紙(透湿防水シート)は、
なぜか従来型のアスファルト系防水テープとの相性が悪く、肌別れを生じて雨漏りの原因となっています。
そのため、透湿防水シートを使用する際の窓廻りの防水テープは、ブチルゴム系のものでなければなりません。

『新しいものには「それなりの欠点」もある』ことを考えずに使われて、結果、雨漏りを起こしている家が
意外にも多いのです。
壁の中への雨漏りは、なかなか気づくものではありません。
窓廻りから雨漏りを生じている家では、必ずと言っていいほど『シロアリ』の被害も被っているのです。



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窯業系サイディングの功罪 [湘南の家づくり]

サイディング.jpg


日本窯業外装材協会の調査によると、戸建て住宅や低層集合住宅の約7割が、
外壁に窯業系サイディングを採用しているという結果が出ています。


今日は『窯業系サイディング』の話です。

窯業系サイディングとは・・・
「セメントにけい酸質原料、繊維質原料や混和材を入れて板状に成形した住宅用外壁材」です。
タイル調・石目調など色々な模様が付けられて成形されていて、最近の外壁の主流となっていますので、
大抵の方がご存じなのではないでしょうか?

窯業系サイディングは美観上非常に優れていることと、材料として成形されているためサイズや重さも均一で、
使い勝手が非常によく、施工時間の短縮も図れるため、時代の寵児のように言われて殆どのハウスメーカーの
標準仕様となっていますが、実は、かなりの『問題児』でもあるのです。

つい最近まで、アスベストが混入されている窯業系サイディングが作られていました。
最近では2004年に作られたものにまで、アスベストを混入していたメーカーもあります。
しかし、サイディングそのものに含まれるアスベストは安定しており、割ったり、切ったりしない限り
ほぼ安全だと考えられています。
 
窯業系サイディングの出荷量の大半(約53%)を占めるのは、厚さ12mmの製品です。
昨年JIS(日本工業規格)で定められた厚さの最小は、『耐久性に問題あり』として、
従来の12mmから14mmに引き上げられました。

つまり、これまでに一番多く製造され、使われてきた厚さ12mmの製品は、
『ダメ出し』をされたことになります。
実際に私達がリフォームなどで見る限り、厚さ12mmの製品はかなりの確率で酷い劣化が起きており、
湿気で外壁が波打ったり、隙間が生じたり、割れたりしている事が多いのです。

窯業系サイディングは、外壁に使われて5~7年で表面の防水層が劣化してしまいます。
そのため、遅くとも10年目ぐらいには、塗装の塗り替えが必要なのですが、
ハウスメーカーの担当者の中には『半永久的』と言っている人もいるようです。

窯業系サイディングの表面には「セメント版に、防水材として塗装が施されているだけ」
ですから、表面の塗幕の劣化と共に急激に水を吸って、変形や割れを生じ、
特に『寒冷地では冬場の凍結による爆裂』を引き起こします。

東北地域以北では、その厚さ如何に関わらず、窯業系サイディングを外壁に使用すること自体に
問題がありそうです。



HIMG0010.JPG

サイディングの継ぎ目に施こされたシーリング材の劣化による「ひび割れや剥がれ」についても
こまめな点検と補修が必要です。

継ぎ目のシーリング材は、10年毎に「打ち替え」(既存を撤去して、新たに施工し直すこと)
の必要があります。
どんなに保たせたとしても、10年毎位の塗り替え時には「打ち替え」る必要があるのです。
また、シーリング材の種類によっては、3年でダメになるものもあります。
しかし、そのようなシーリング材であっても、使用された直後にはその他のシーリング材との見分けは不可能です。


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また、継ぎ目のシーリング材の下には、「アルミジョイナー」(目地ジョイナー)と呼ばれる金物が
入れられています。

「この金物が入っているから、継ぎ目の防水は完璧です」と説明をする工事屋さんや現場監督さんもいるようです。
これは『防火目的』で使われているもので、防水の役目は全くありません。
従って、継ぎ目のシーリング材が剥がれて、このアルミジョイナーが見える状態になっているような場合には、
「壁の中は、既に雨が入り放題」ということになります。


湿気の粒子は、雨粒のおよそ「250万分の1」という小さな粒子です。
そのため、室内で生じた湿気は、内装材の隙間を通って壁の中にどんどん侵入します。
通常、壁の中に入り込んだ湿気には逃げ場がなく、外壁材の裏で結露となります。(壁体内結露)
そのため、窯業系サイディングを使用した住宅に於いては、石油を燃やして暖をとる暖房器具の使用は
壁体内結露を大幅に増やすこととなって不適です。(石油は燃焼によって、燃やした量の110%の水を生じます)

一般的な窯業系サイディングの裏面には、建物内部から排出される水分の吸収を防ぐために、
シーラーの塗布がなされています。
しかし、表面側の塗膜とは違ってシーラーには「一時的な防水性能」しかありません。

そのため「壁体内結露や壁の中の配管の接続部劣化による水漏れ」等があった場合には、
セメント板であるサイディング自体が水分を吸い込んでしまって、
劣化を早めるだけではなく、冬場には殊更寒い家となってしまいます。



窯業系サイディングについては、他にも知られていない大きな「欠点」とも言うべき『特徴』があります。
それは『蓄熱しやすい』という『特徴』です。

夏場においては『蓄熱』によって、外壁の表面温度が極めて高くなり、その熱が室内に放射されます。
窯業系サイディングの家は、夏場に極めて「暑い家」となってしまうのです。

siding9.jpg 外壁がモルタルの家

siding7.jpg 外壁が窯業系サイディングの家

気温35度C、晴天下での赤外線カメラによる温度の違いです。(他社のホームページから、お借りしました)

断熱材が入っているから大丈夫(?)・・・でしょうか?!
断熱材を入れたのは「あなた」ですか?だったら、大丈夫かも知れません。

しかし、私がリフォーム時に見る限り、『断熱材の不連続』がなかった家は、ゼロパーセントです。
つまり、断熱材を入れにくい箇所には入っておらず、継ぎ目は大きく口を開けているお宅が殆どなのです。
まだまだ断熱材は「いれればいい」と思っている職人さんが多く、断熱材のの入れ方が
『まるっきり、解っていない』職人さんが多いのです。
『断熱材は隙間なく、継ぎ目も連続性をもって』入れなければ、余計に「壁体内結露」を増やすことになるのです。

「うちはバッチリ断熱材が入っている『はず』です!」と言ったお施主様がいました。
開けてみると、床下も壁も天井裏にも「全く何も入っていない」お宅(建売住宅)でした。


この暑さ寒さやサイディングの劣化を解消するには、7~10年毎のインターバルを守って
外壁の塗り替えをすることと、断熱材の切れ目を無くすこと、そして壁の中の通気を考えることしか手はありません。

最近、「外壁の蓄熱」を問題視して『金属サイディングによるカバー工法』を勧めている
一部のリフォーム業者もいるようですが、この方法は『臭い物には蓋』のやりかたで、
事態を余計悪い方向へ導き、『論外!』としか言いようがありません。


窯業系サイディングについて勉強している工務店があります。 ↓

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光を操る『魔術師』 [湘南の家づくり]

h4-1_image.jpg  真っ暗だった庭が生き返りました。

「お客様も増えた」と、オーナー様にも喜んで戴いて・・・



以前隣町の葉山に住んでいる、或る有名な画家の家を造らせてもらう機会があった。

できあがって、写真を撮るためにアトリエのピクチャーレールに並んだ絵を見ながら・・・


「画商を通さなければならないんだけど、オレの絵を1つ買わないか?」

「いえ!要りません・・・先生の絵は『色が綺麗すぎて』、私にはどうも・・・」

「そーなのか?・・・もっと、寂しい絵が好きなのかな?」


「例えば、あの、夜の砂漠を隊商が歩いている絵ですが・・・なんで満月なんですか?」

「絵だからね~」

「月のお陰で・・・本当は寂しい光景なんだろうけど、なんとなく賑やかな話し声まで

聞こえて来そうに思えるんですよ、私には・・・」

「月でもないと、陰も描けないから 絵にならないんだよ」

「星明かりだけの闇夜を、黙々と黙って歩く隊商の絵だったら買うんですがね~」

「君は、ロマンチストなんだな~!」



世の中はクリスマス一色になりつつあって、あちらこちらで大型のイルミネーションが

大流行のようだ。

真っ暗な空間に、電飾で色とりどりの大きなトナカイやクリスマスツリーが浮かび上がり、

それを見つめる人々は、その美しさに圧倒される。


しかし、ロマンチスト(?)の私は『何か少し違うんじゃないだろうか?』と考えている。

色とりどりは要らない・・・寒い冬の夜には賑やかすぎる。

光は白か、淡い色の「一色だけで十分だ!」と。



私の娘婿は『光の魔術師』


今年は『古い旅館の庭』を、そして次は或る『店舗のファサード』を・・・

一緒に仕事をしてきた。



「光一つ」で、既存の店舗が、どのように変わるものか(?)

昨日の夕方、彼の仕事の仕上げ具合を、この目で確かめに行って来た。



暗くなってきて、点灯!・・・思わず、『息を飲んだ!』

建物は以前と少しも変わらないにも拘わらず、そこには・・・

「今までとは、全く別の店舗」があって、生き生きと、激しく息づいていたのだった。


照明は明るいうちに計画通りに配置、設置されて、暗くなって初めて灯がともされる。

それまでは、『娘婿の頭の中だけ』にある、『こうしたい!』という思いだけ。


それが点灯と同時に具現化された瞬間に、多くの人々の共感を呼ぶのだから、

彼は正に『光を操る魔術師!』

『凄い!』の一言以外、他には言葉がない!



光一つで、全て見違える程生きてくる・・・お店の雰囲気も、料理も女の人も・・・

そして、夜の闇さえも。

彼は決して色んな色を使わず、『一色の光だけ』で、見る者を『魅惑の世界』に連れて行ってくれる。

これで、このお店も流行ること請け合いだ!

何故人は、もっと『光』を大事に考えないのだろう?!



私が何か言ったわけではない・・・しかし、持てる「感性」は似ているのかも知れない。

娘が選んだ人物・・・きっと、彼もロマンチストなんだろう?!



今、私には一つの『腹案』がある。

来年の今頃には、彼に何らかの手伝いが出来るかも知れない。

うまく行けば・・・いや、うまく行くまで、彼には『大きな夢』を持って

このまま頑張って欲しいと思っている。


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ジャパンホームショー2008 [湘南の家づくり]

HIMG0005.JPG  これを首から下げて入場します。

仕事のジャンルが色分けされていて、「工務店・ハウスメーカー」の色は「茶色」です。


お台場の東京ビッグサイトで行われている、ジャパンホームショー2008に行って来ました。

出展企業の傾向が毎年少しづつ違いますが、今年は歴然と違っていました。



HIMG0004.JPG 午前11時過ぎだというのに、こんな状態でした。

ビッグサイト隣接の駐車場、昨年までは待たないと入れないほどの満車だったのですが、

今年はガラガラ・・・「あれ?」という感じでした。

世の中の不況を反映してか、ホームショーは、まず出展企業が少ないこと、

見に来ている人も半減していることに驚きました。



出展企業も、昨年は『中国』『台湾』からの出展が多かったのに、

今年は1社も見あたらず、昨年までは少なかった『欧州』からの出展が目立ちました。


このジャパンホームショーでは、毎年何かしら「新しい工法、もしくは材料」等を

見つけて来ますが、かねてより「なぜ、ないんだろう?」と考えていたものが出展されて

いました。

HIMG0007.JPG これが、ムリ言って手に入れたサンプル。
「これが何で、どう使うか?解った方はエらい!」


使われているのは『紙と針金』だけ・・・

これがなかった為にベニヤを使わざるを得なくて、本当の意味での「健康住宅」が

造れませんでした。

サンプルも貰ってきましたが、「これ」が出て来るには『少し遅きに失した』感も

なきにしもあらずです。

しかし、「自然素材だけを使った、健康住宅を造る機会があれば使える~!」

と思い、名刺交換をして詳しい話も聞いてきました。


このホームショーに出向くと、「世の中の流れ」が解ります。

既に『新築産業は終わっている』と思わせるほど急激に建築産業が変わってきたことと、

世の中は「健康」「老人介護」と「CO2削減」に向かっていることを実感として捉えることが

できました。


このような変化は、「人から聞いただけでは、なかなか理解できない」ものです。

このホームショーは、世の中の動きを肌で感じるためのツールとしても

利用させて貰っています。


どうやら、街の工務店が生き残るには『極めて厳しい時代』に突入したようです。

『頑張らねば!』今年は殊の外そう思わせる、ジャパンホームショーでした。


HPをリニューアルしました・・・ご批評戴けたら幸です。

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日本人は「家」に殺される?! [湘南の家づくり]

マスク.jpg 家の中でも、マスクが必要?・・・かも

秋が深まって、朝晩は肌寒い季節となってきました。

冬になると空気が乾燥して風邪を引きやすくなります。

ウイルスが繁殖しやすくなってインフルエンザが流行るのも、空気が乾燥しているからです。

女性は、お肌が乾燥しすぎて困る季節でもあります。


さて建築業者の私が 『何故こんな話題』 を持ち出したのでしょうか?




私が造っている家は、日本に大昔からある『木造軸組工法』で、

一般的には「木造」または「在来工法」と呼ばれています。

木造軸組工法の家は、暑ければ窓を開放して外の風を取り入れ、

気候がいい『春や秋』には、さわやかな風を部屋一杯に取り入れることも可能ですが、

家を造る工法によっては、一年中窓を開放してはいけない家があります。

それは、「24時間計画換気」の「高断熱・高気密」の家。

そして「全館暖房」が整っている『最新の家』ほど、冬場の「過乾燥」に注意が必要なのです。

更に『外断熱』の家は、過乾燥に輪を掛けると言われていますが、

こんなデメリットは、家を造る側は決して教えてはくれません。




このような家では、冬場のように乾燥した季節には「加湿器」が必需品となります。

因みに申し添えれば、「正しく造られた木造軸組工法の家」は、家が自ら湿度管理を

行いますので加湿器を必要としません。



理想的な「湿度」は40%~60%と言われておりますが、機械相手ではなかなか「湿度管理」

が行き届くものではありません。




加湿しすぎると、空気の流れが弱い場所では、たちまちカビが生えることになります。

カビは人が眼にする所だけに生えるのではありません。

部屋の隅・壁際に物が置かれたその後ろ・扉が閉まった押入や棚の中などは、

空気が澱んでいるものです。



湿度が65%になったとたんに、カビの菌は猛烈に増殖を始めますから、

外断熱の家や高気密・高断熱の家では、絶対に湿度は65%に達しないように、

常に「湿度の管理」をする必要があります。


つまり、「外断熱の家」や「高気密・高断熱の家」では、ウイルスが増殖する『過乾燥』と

カビがはびこる『過湿』の両方に、目配り・気配りが必要なのです。




「新型インフルエンザ」が全国的に流行した場合の政府の予測では、

人口の1/4が感染し、医療機関で受診する患者数は2,500万人、入院患者は最大で200万人、

死亡者は最大64万人に上ると推計しています。


カビに最も有効なのは窓などの『開口部を解放した換気』なのですが、

高気密・高断熱で24時間機械換気の家では窓を開けての換気は出来ませんので、

一度カビが生えてしまったら、その家に住む住人は大変なことになります。


実は私は、カビに対して強いアレルギーを持っています。

「カビがあるところでは、必ず『くしゃみや咳』が出るのです。

高気密・高断熱の家に入ると、必ずと言ってもいいほど反応するのですが、

これはどこか隠れた場所にカビが生えていて、カビの胞子が室内に舞っている状況だと

考えられます。


高気密・高断熱の家にお住いの方は、一度「床下や天井裏」そして、普段眼にしない

「押入の奥」、「TVの裏や流し台の下」、「下駄箱の中」などを点検する必要があります。

そして、もしカビを発見したら、是非ご相談下さい。

親身になって、ご相談に応じます。




私は、これまで違う方向(音の伝播・蟻害・職人の技量によるバラツキなど)から

『外断熱や高気密・高断熱工法の日本での不適性』を説いてきましたが、

これから乾燥する季節を迎えることで、新たな切り口からの記事としました。



企業だけに目を向けていて、消費者はなおざりにされている日本の住宅政策の貧困さを

批判するだけではなく、安易に「売れるから」と外断熱や高気密・高断熱の家を造っている

住宅産業批判を交えて『日本人は、家に殺される』という本でも書こうか?と思っています。

殺されるあなた方の方にも、「一分の非」があることも・・・


政府がこれだけ多くのインフルエンザ罹患者の発生を予測するのは、

政府が認めてきた「新しい住宅の工法」による『過乾燥』も見越してのことではないか?

と穿った見方をしているところです。


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HP刷新! [湘南の家づくり]

照明器具.jpg 街の工務店でも、「居室の照明器具」は別途だが・・・

「お宅では『坪いくら』で建てられるんですか?」

このように、よく聞かれます。

[坪いくら?]は一概には言えないのです。

「一応の『目安』としてなら言えますが、坪単価は1棟1棟異なります」

というのが、最も正しい返事かも知れません。


私ども、街の工務店は「坪いくら?」と聞かれたときには

『誤解を招かないように』細心の注意を払いながら、

話す必要があるのです。


なぜなら、「街の工務店」は、『全て計上した金額を、建坪で割った金額』を

その家の「坪単価」としているのに対し、ハウスメーカーの場合には、

『オプション工事を除外した金額』を坪単価をとして言うからです。


『瑕疵担保責任保険料を負担する』という方針を打ち出した或る大手ハウスメーカーが

「画期的」と自賛した記事が最近の新聞に出ていましたが・・・

「殆どの街の工務店は、瑕疵担保責任法の施工と同時に保険料を負担している」

のに比べて「ハウスメーカーは、保険料はお客様持ち」としていることに、

驚きを持って語られていました。


通常「既存住宅の解体工事」「外構工事」「居室の照明器具代金」「カーテン」は、

街の工務店でも大体別に項目を設けて『見積外』として別計上していますが、

その他については、ほぼ全てを含んでいるものです。




ハウスメーカーが建てている家は『規格住宅』ですから、規格から外れたものは、

全てオプションとして扱われることになります。



では、どのようなものが、ハウスメーカーの「本体工事」に含まれず、

オプションとなっているのでしょう?


大体のハウスメーカーでは、まず「地盤調査」からしてオプションです。

「地盤調査の結果必要となった地盤改良工事や杭打ち工事」もオプションです。


「バルコニー」「出窓」「テラス」「玄関ポーチ」「玄関へのアプローチ部分」更には

「給水配水管の本管取り出しや接続工事」は、殆どのハウスメーカーががオプション

となっています。


TV等で耐震性能や外断熱を声高に唱っているにも拘わらず、耐震工事や免震工事が

オプションとなっていたり、内断熱(充填断熱)が標準仕様で、外断熱はオプション

となっているハウスメーカーもあります。


その他にも「冷暖房設備(床暖房を含む)」「電話線通線工事」 「造りつけ家具」

「CATV・インターネット・LAN工事」「カーテンレール」「濡れ縁」などもオプションとしている

ハウスメーカーが殆どです。


更にハウスメーカーによっては、「ガレージ工事や道路との境界工事」

「屋外の給排水管工事」「雨戸工事(網戸はどこも本体工事に含まれています)」

「水道・ガス・電気メーター取付工事」「水道局納金や下水道負担金」

などもオプションとしているメーカーがあります。


表現は同じ「坪当たり」であっても、その内容は全く異なります。

これでお解り戴けたかと思いますが、

ハウスメーカーが例えば「坪当たり50万円」と言った場合は、

オプションを含まない規格住宅の金額を言っているのに対して、

街の工務店の場合には、ハウスメーカーがオプションとしている物まで

全てを含んだ金額を坪単価として提示しているのです。


ハウスメーカーで家を建てた方が「坪50万円と言われたのに、出来上がってみたら

坪あたり80万円以上も掛かった」・・・これは非常に良く聞く話です。

30坪の家で坪当たり30万円の差が出たら、なんと900万円もの大きなお金が

余分に動くことになります。


「ハウスメーカーには、たった一人の大工さんすら存在していない」これも

大抵の方は知らないことらしく、非常に驚かれます。

全ての職種に於いて「下請け」や「孫請け」時には、更に下の「曾孫請け」だけで

家を建てるから、必然的に高くなります。

その上、ハウスメーカーには営業・総務・経理等の直接お金を生まない人たちが

大勢在籍しているだけではなく、1棟当たり1億円以上も掛けて作る『展示場』と

展示建物の巨額の維持費用などが、新築される皆さんの1棟、1棟に

振り分けられて上乗せされていることは、何故かハウスメーカーは語らないのです。



一昔前までは、「デザイン性だけ」は大きく遅れを取っていた街の工務店も

最近では、新進のデザイナーや名のあるデザイナーとタイアップして、

ハウスメーカーに「勝るとも劣らない」素晴らしいデザイナーズ住宅の建築が

出来るようになっています。


街の工務店には、営業専門の担当者がいない会社も多く、口下手でお客様が

その会社の良さを理解出来ない場合も、よく見受けられます。


この点だけについて言えば、現在は力強い味方が存在するようになりました。

それは口で語らずとも、見る方に理解していただける『ホームページ』です。


我が社もHPを一新しました。






一度ご覧戴き、ご批評を戴けたら幸です。
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