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家の寿命 [湘南の家づくり]

 せめて何頭かで吠えれば・・・・『ウオーッ!』

 

家の寿命について考えてみた。

今の日本の住宅は、新築から30年も経つと、何故か建て替えられる。

住んでいる方も気にしているようで「この家は32年目なんですよ、もう、建て替

えた方がいいでしょうか?」などとよ~く耳にする。


実際には建て替える必要のない家が、15年~20年程でどんどん取り壊され

て、建て替えられた時期がある。

それは、1980年代後半から始まった、バブル期。

「日本の家は15年保てばいい」

日本を代表する、ある大手ハウスメーカーの社長が上げた『狼煙』が口火だっ

た。


新築して20年も住めば、「もう、そろそろ建て替えですよ、お近くの○○さんは

16年目で建て替えられましたよ」

バブル期には『15年もてばいいところ、20年も住めば儲け物』・・・ハウスメーカ

ーはこんな印象を与え続けてきた。。

そして、バブルがはじけた後も、30年も住めば・・・・と言うわけだ。

 

30年、35年の住宅ローンを払い終わったら、「もう建て替え」では、あんまりだ

ろう。


これには家を建て替える方が知らない『訳がある』

 

『住宅の減価償却期間』について、ご存じだろうか?

鉄筋コンクリート住宅の減価償却は47年、重量鉄骨住宅は40年、軽量鉄骨

住宅で30年、そして木造住宅はなんと22年と決められているのだ。


この年数は、住宅の寿命とは全く関係ない。

ましてや、家の強度や性能にも何ら関わりがない。

 

拙者が作る木造住宅は、80年も100年ももつように考えて造る。

代を繋いで住み続けられる家。

本来、家の寿命とはそのように長いものなのだ。


ハウスメーカーが、住宅の寿命と減価償却時期をリンクさせて、誤った印象を

刷り込んでいるだけ。

ハウスメーカーの知られざる至上命題は『築後22年経過で、価値が零になって

しまった木造住宅は、早いところ建て替えを勧めろ!』ということなのかも知れ

ない。


減価償却期間の短さは逆に有効な面もある。

店舗併用住宅などは、たったの22年で償却させてもらえるのだから、『木造』を

選ばない手はない。


減価償却期間は他にも影響している。

年数を経た中古住宅の価値・・・そこに家があって、十分に住まえる以上、何年

経過していようとも無価値である筈がない。

しかし、年数を経た中古住宅の価値は実際のところ、リフォームの有無に拘わ

らず・・・・『零』

 

そして・・・・・・・建て替えられていく。


 

家の価値・寿命と減価償却期間は『全くの別物だ』と言うことを理解して欲しい。

と、拙者が言ってみたところで、『犬の遠吠え』なのだろうか?

仲間を増やして、せめて何人かで『吠えまくれば』少しは違いが解って貰えるの

だろうか?

 

家づくり学院では、声を大にして語っているのだが・・・・・


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コメント 12

木の家は100年もつ と 友人の大工のせがれが言っていたのを 今も覚えています
耐用年数と償却が まったく違った意味なのもそのとうり^^
もしオイラが家を建てるなら  長持ちする 長く愛せる家にしたいです
by (2007-01-27 15:54) 

cuvesx

22年ごとに建替えている寺院って・・ないですよね・・
by cuvesx (2007-01-28 00:25) 

justice-7

今回も勉強になりました!
by justice-7 (2007-01-28 18:15) 

gottu329

昔は100年持つ家という印象がありましたけど、最近の家には
残念ながら印象がないですね・・・見た目重視のゼザイン住宅が
増えてる&ハウスメーカーのせいなのか、アキラさんとこみたいな
いい工務店が少なくなったせいなのか・・・
by gottu329 (2007-01-29 02:19) 

たろちぅ

ハウスメーカーの組み立て式簡易住宅はもたなくても、
職人さんのつくった木のお家は80年以上もつ、と。
最近の家がだめなのはハウスメーカーせい、とも。
建築士の友人がよくいってます。
電化製品も昔のものは壊れないのに最近のはすぐ壊れて。
商品の回転性をメーカーが出そうとしてる気がします。むぅ。
by たろちぅ (2007-01-29 07:15) 

アキラ

dennさん
日本の家は『木造軸組工法』ですよ。♪

飛鳥時代に建てられた法隆寺や薬師寺は1400年近くも建ち続けています。今とは少し違いますが、工法は同じ木造軸組。
頑張って、いい家を造ってください。

ナイスをありがとうございます。
by アキラ (2007-01-29 09:00) 

アキラ

Honuさん

いつもナイスをありがとうございます。

お寺や神社・・・・ハウスメーカーでは建てられませんから・・・
by アキラ (2007-01-29 09:04) 

アキラ

le soleilさん

ナイスをありがとうございます。

勉強していただいているとは思いませんでした。
今後もどうぞよろしくおつきあい下さい。

長く生きている分、少しはお役に立てるのではないかと思いますよ。♪
by アキラ (2007-01-29 09:07) 

アキラ

hgch さん
家が長持ちしないのは、ハウスメーカーさんと建材メーカーさんのせいだと思います。
屋根は15年で駄目になり、外壁は20年で張替を余儀なくされ、床は15年~20年でボコボコになるような建材が使われるのですから・・・
建具も紙を圧縮したものに木目をプリントした塩化ビール貼り、15年でゆがみすきま風がピューピューです。和室の天井材は薄いベニヤ板に紙貼りでは、どう考えても保ちません。
これらの不都合が20年程で一気に現れたら・・・・建て替え!となるわけです。
電化製品では『ソニータイム』が有名ですが、家も『ハウスメーカータイム』が有るのかも知れません。・・・・・人知れずですがね。
by アキラ (2007-01-29 09:17) 

アキラ

たろちぅさん

私もその建築士さんと全く同意見!です。・・・・「むぅ」ですよね~。

ナイスを、感謝です。
by アキラ (2007-01-29 09:21) 

ちゃー

質問: 古くても建てつけがよければ、十分中古住宅でも大丈夫なんですか?
素人には解らないんですよね、中古探してるんですが。良いアドバイス下さい。
by ちゃー (2007-10-01 16:29) 

アキラ

ちゃーさん

建て付けだけで家の善し悪しは決められません。
かなり難しい問題ですが、一口で言えば、昭和56年7月以降に町の工務店が建てた木造の注文住宅となるのでしょうか。
昭和56年6月30日に建築基準法の大改正があり、その日以降に確認申請が降りた建物は、前日までの約3倍近い強度を持たされるようになりました。最近の巨大地震でも、倒壊するのは戦前戦後の古い家で、基準法改正以降の家は、余り倒壊していません。(手抜き工事・白蟻等で弱っている物は別として)
町の工務店はハウスメーカーと異なって、自分が住む地元に顧客が多いものです。万一悪質な施工や手抜き工事をしていて、それが発覚すると、たちまち町の噂となって、取り返しがつきません。
ちゃーさんがお住まいの地域はどこであれ、日本のなかであることは間違いないでしょう。
日本の気候風土に最も合う建築法は『木造』です。
中古住宅を買う際には、一見して『重厚な家』を買うべきで、これは素人にも判ることではないでしょうか?
今後も何かとご質問がありましたら、どうぞご遠慮なく・・・
by アキラ (2007-10-02 13:20) 

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