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材料は選ばねば! [湘南の家づくり]

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家の塗装・・・特に木部を塗る塗料には何を使うか、指示をしていますか?

新築の場合には、建築士さんが設計図に使用する塗料名を書き込んで指示をしてくれます。

しかし、一つ間違うと・・・



お年寄りは「昔の塗装はもったのに、最近の塗装はすぐにダメになる」と言います。

素人は理由や作用は知らず勘で物を言いますが、結構「いいところ」を突いてきます。


40年前に塗装をして、未だに何ともないお宅を私は知っています。

現在の塗装は5~6年で塗り替え、昔の塗装は40年以上・・・何が違うのでしょう?


ウレタン塗料やセラミックシリコン塗料などが、最近の塗料の主流ですが、

使われるのは全て乾きが速く、使いやすい(作業性が良い)石油化学製品の

塗料です。



私は今まで事ある毎に『石油から作られる物に、良い物は何も無い』と言ってきました。

塗料さえも例外ではありません。


昔の塗装の剥がれ方と、現在の塗装の剥がれ方は全く違います。

現在の塗料を塗った剥がれ方は、元からすっかりなくなって、木肌が剥き出しになってしまいます。

それだけではありません。

石油精製品から作られる『溶剤』(シンナー)は、一端木質の中まで入り込んでから乾燥します。

『乾燥の歳には本来木が保有していて木質を腐れから守っている、有用な脂分』まで

引っ張り出して乾くのです。

木部はカラカラに乾燥しきって、水をどんどん吸い込む状態になってしまいます。

つまり・・・現在の塗料を塗って剥がれたままにしておくと、木部は多量の水を吸って

すぐに腐ってしまうのです。


かたや、昔の塗装はと言えば・・・塗膜(塗装の被膜)が徐々に薄くはなりますが、

何十年経過しても「剥がれて、木肌が剥き出しになる」ことはありません。


「昔通りの塗料を使えば、問題ないじゃないか?」と思われるかも知れませんが、

昔通りの塗料は作業性が悪く、現代の忙しい世の中ではとても受け入れられません。


『作業性はやや劣るものの、もちが良く 現代においても、なんとか使えなくはない』

という塗料は、現在でも存在します。

私が薦める木部の塗料は『油性調合ペイント』 

塗料を溶かしたり薄めたりする溶剤には『ボイル油』を使います。

下塗りには『プリマ油』か『油性調合ペイント下塗り』を使いますが、

これらを使うことによって木質に脂分を追加補給しながら、ある程度の作業性も

確保することが可能です。(実際の所、イヤになるほど乾きは遅いデス)




最近の塗装屋さんに「『油性調合ペイント』で塗装をしてください」

と言ってみたところで、見たことも・聞いたことも・使ったこともなく、

溶剤には何を使ったらいいのか?も知らず、塗料の利点や欠点についての説明も

できないことでしょう。

それに乾きが遅く「次の塗り替えが30~40年先」ということが判ると、

それだけで敬遠してしまいますが、解ってくれる塗装屋さんも必ずいる筈です。

だって、『乾きが遅いほど、長持ちする』は塗装業界の常識なんですから。


建築士さんは設計図に、木部や鉄部に使う塗料を、『OP』と書いて指定します。

OPは「オイルペイント」の略で、『油性調合ペイント』を指していますが、

実際に現場で使われる塗料は、ほぼ100%が『SOP』です。


SOPは『合成樹脂調合ペイント』のことで木が剥き出しになる剥がれ方をする石油化学製品。


建築士さんが指定する以上、メーカーとしては作らない訳には行かないのですから、

設計図に『OP』と書き込んだ設計士さんは、最後まで見届けて欲しいものです。


いずれにしても現在の所、石油化学製品ではない塗料は少ないですが存在しています。

特に雨がかかる部分に木が使われているお宅では、『塗り替えの度に、家の腐れを早めている』

と考えても決してオーバーではありません。


塗料の希釈に『塗料用シンナー』や『ラッカーシンナー』 などの『シンナー』と名が付く

『石油化学溶剤を使わない塗料』を使えばいいのですから、事は簡単です。


とは言っても、石油から作られてない塗料は、良いことばかりではありません。

作業性に劣ること、艶が引けることやコケが生えやすい欠点もあるにはあるのですが・・・



現在は素人の方でも、ある程度までは知るために勉強出来る環境が整っています。

なにかしら行動を起こそうと思ったときは、先ず勉強をしてから・・・にしませんか?

家に塗る塗料一つ取ってみても、奥が深~いのですから。。。




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コメント 4

michie

勉強になります。
窓枠の塗料をはがした時に三重くらい塗り重ねてあったのですが、
一番上のは養生テープではがれるくらい弱かったのですが、
下に行くほどはがすのが大変でした。なんとなく納得出来ました。
by michie (2008-08-12 01:05) 

かなりあ猫

塗装は難しくて理解しにくかったのですが、わかりやすい説明で納得しました。
化学物質過敏症を発症してからは、木部には天然塗料を指定しています。施工性と見栄えと費用対効果が良くないと言われることもありましたが、わかる人は良さを認めてくださるのでOKです。木も生きているので、危険な塗料は使いたくないです。
by かなりあ猫 (2008-08-12 11:35) 

たいせい

 これは知りませんでした。
 言われてみればかつての塗装と今の塗装では明らかに塗膜が違います。
 勉強になりました。
by たいせい (2008-08-12 18:22) 

TOMO

コメント欄でのお言葉ありがとうございました。
ぼちぼち復活していきますので
これからも宜しくです。
by TOMO (2008-08-18 00:22) 

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