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屋根のメンテナンス(2) [住宅のメンテナンス]

コロニアル.jpg 「棟」の鉄板が欠落、下地の「貫板」も一部なくなって、屋根材が飛ぶ寸前です。

随分長い間、雨水が入っていたのでしょう。貫板(グレーに変色した板材)も一部腐っているようです。

よく見てください、屋根材の重なり目に『隙間があったり、なかったり』しています。

こうなると、既に下地の野地板から取替えを検討する時期に来ています。




今日の記事は、昨日の続きです。




メンテナンス以前の話として、屋根材の中で、私が最も問題が大きいと思うのは、

着色スレート化粧板葺き(カラーベスト・コロニアル葺き)です。

現在の日本の家には、最も多く使われている屋根材だと思うのですが・・・



着色スレート化粧板(カラーベスト・コロニアル)は、施工後、10年~15年を経過すると、

表面が白く粉を吹いたようになってヒビ割れが生じます。



最近のものには、石綿(アスベスト)は使われていないようですが、12,3年前までの

ものにはアスベストが使われていますので、葺替えなど屋根材を撤去する際には

アスベストの飛散を防ぐために『割らない』注意が必要です。



メンテナンスの方法としては、新築から大体10年程度で最初の塗り替えをし、

以後は5年毎くらいのインターバルでの塗り替えが必要です。

割れたりヒビが入った屋根材については、本来は取り替える必要があります。


メーカーでは一部の屋根材が破損したりヒビが入った場合の取替えに備えて、

屋根材の間に差し込んで、打たれた釘を「引き抜く」道具も用意しています。


釘を抜いて、その部分の屋根材を一部分取り替えるのですが、これが問題です。

釘と一緒に、下地の防水層であるルーフィングまで「破ってしまう」のです。

破れたルーフィングの補修までやってくれる業者は稀ですから、

結局は雨漏りを起こす事に繋がります。

屋根工事業者によっては、「一部を引き抜くと、下地のルーフィングまで損傷する」

と言って、カラーステンレス板などを、割れた部分に被せて補修する業者もいます。





塗り方を知らない塗装屋が塗装をすると、極めて簡単に『雨漏り』を発生する屋根材です。

『着色スレート化粧板についての特性』を知り尽くした専門業者に依頼しないと、

大変なことになってしまいます。

また、材料の形状から『毛細管現象』を引き起こして雨水を吸い上げ、『雨漏り』を

発生させ釘穴からの雨水の浸入で、屋根の最も大切な部分である屋根の下地(野地板)を

腐らせてしまう場合もあります。


屋根材で7割、屋根の下に施工されているルーフィング(防水層)で3割の「水はけ」が

なされており、施工上は下地の『ルーフィング施工』が最も重要となります。


水はけや毛細管現象の発生から、「10分の3以下の緩勾配の屋根には使うことが出来ない」と

規定されていますが、『塗装が必要な割には、塗装方法によっては雨漏りを起こす屋根材』

『屋根材だけでは水はけがなされない屋根材』 『屋根勾配に制限がある屋根材』

『コーキングを多用しなければならない屋根材』であることから、

私は『未成熟商品』もしくは『欠陥商品』だろうと考えています。



着色スレート化粧板葺き(カラーベスト・コロニアル葺)の場合には、

棟(屋根の一番高い箇所)に鉄板を使いますが、止め釘が錆びて緩み、雨が入り込むと、

下地の「貫板」が腐って強風時に屋根材が飛ぶことがあります。


また屋根の低い所は『谷』とよばれ、屋根の一番高いところを『棟』と呼びます。

それぞれに鉄板が使われて雨水の侵入を防止する働きをしています。

これらの鉄板の継ぎ目には、以前はハンダ付けがなされていましたが、

太陽熱による伸縮でハンダが切れて『雨漏り』を起こす事がありました。

最近ではハンダ付けしないで、『コーキング止め』する工事業者が

多いようですが、「コーキングの寿命」を知らずに施工する業者が

殆どですから、この屋根材を採用した方は特に注意が必要です。





次回へ続きます


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浜松自宅カフェ

「建築物」の定義は、『屋根』及び『壁(あるいは柱)』を有するもの。

要するに屋根とそれを支える壁か柱で構成されたものを言うわけですから、
屋根がいかに重要な要素なのかが判りますよ!
それだけに、屋根本来の機能である防水性は重要なんですよね。
屋根って一口に言っても深いですねー!
by 浜松自宅カフェ (2008-04-25 22:38) 

denn

シリーズ2編を読ませていただき、改めて思ったことは^^

お金を払って サービスを受ける側が^^ ちゃんと勉強しなければならない^^そうゆうことですね^^

口車に乗せられて^^「安物買いの銭失い」・・・ 最悪です^^

勉強になります^^

家の塗装の際も^^お世話になりましたし^^ 改めて ありがとうございました^^
by denn (2008-04-25 22:49) 

toyo

詳細な説明ありがとうございます。
繰り返し読ませていただいてしっかり頭にたたきこみます。
ほんとに屋根素人には貴重な情報です。
by toyo (2008-04-27 03:02) 

アキラ

浜松自宅カフェ さん

屋根がない家なんてありませんからねー。
屋根は大事な割に、見捨てられています。
1年のうちに、自分の家の屋根を見る人って、一体どのくらいいるんでしょうかねー?
by アキラ (2008-04-28 09:06) 

アキラ

denn さん

仰るとおりですね。
私は「家づくり学院」で、必ず言うことがあります。
それは、「残念ながら、欠陥住宅や手抜き工事は、不勉強な施主ゆえに引き起こされているものもあるのです」と。。。

職人、元々そんなに悪い人はいませんよ。
『コノ施主、何にも知らね~な・・・じゃ、この辺でま、いいか?』で、手抜き発生となるのです。
by アキラ (2008-04-28 09:11) 

アキラ

toyoさん

最近こちらでは、屋根まで登って食害を与えるという、イエシロアリの群舞があちこちで見られます。
イエシロアリは遠くから水を運ぶようですが、近くに水があればもっと良いわけですから、雨漏りさせない事が重要ですね。

by アキラ (2008-04-28 09:15) 

toyo

雨漏りとシロアリってけっこう関係ありますよね。
シロアリ対策上も屋根のメンテナンスって重要だと思います。
・・と、こんなこと言っても一般の方には、まさか!って思われるんでしょうが。
by toyo (2008-04-29 21:17) 

えなり


おっさん童★貞が15万ゲットォォォ!!!!
若いコに筆おろししてもらえるとかマジ勝ち組すぐるwwwww

ていうか女とやるって意外とカンタンなんだなwwww
最近じゃ俺のメタボディを武器に、おにゃのこハメまくりっすよ!(*゚∀゚)=3
http://ar-yt0f.becquerel.tubuyaku.com/ar-yt0f/
by えなり (2011-04-03 04:18) 

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