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日本の家が危ない! [お仕事]

住宅については、一般的に一寸した誤解があります。現在の住宅は、日本古来の住宅に「似て、非なるもの」なのです。

昔の家は、それこそ100年以上ももったのですが、構造材は山から切り出したムク材で、基礎はなく、河原に転がっている丸い石(玉石)の上に柱が立っていました。


柱は、ずれないように、板で結ばれ(根がらみ)、床下は風通しが考えられていて高く、壁は土壁でした。

土壁の上に漆喰を塗ったり、板を貼ったりしていましたが、土壁や板壁は息をし、空気の交換をしていたのです。

サッシは木製で、すきま風が入り、間取りは和室が殆どで、襖を開ければ風がまっすぐに抜ける造りとなっていました。

その後、基礎が造られるようになっても、鉄筋が入っていない基礎だったり、ブロックの基礎の家もありました。

筋交いも少なく、耐震性能は貧弱なものでしたが、経験から、地震の際は瓦を落として身軽になって地震力を吸収するように考えられていました。

 

 

現在の家を考えてみて下さい。


基礎は低く、天井・壁・床下には、科学的に作られた断熱材を入れて、外壁は空気交換のない無機質なサイディングやモルタルで、内壁はビニールクロス貼り更にサッシは気密や水密性が高いアルミサッシと、全く息をさせない造りとなっているのです。

耐震性は格段に伸びましたが、現在の方法は地震力を吸収するのではなく、壁を強くして地震に対抗する造りとなっています。

流行の外断熱住宅、高断熱・高気密住宅などは最悪です。

まるでビニール袋の中か、ペットボトルの中で生活しているようなもの。

人工呼吸器(24時間機械換気)を止めたら窒息死する(家が壊れていく)家が、本当に素晴らしい家だと思いますか?

 

現在の建築基準法に沿った家造りにおいては、80年、あるいは100年以上も丈夫で長生きする家づくりはできないのでしょうか?

日本を代表する、あるハウスメーカーの社長は「日本の家は15年保てばいい」と言い続けてきました。

15年ですよ!大きなお金を使って、たったの15年。


一生に一度の大きな買い物の寿命が15年・・・でもこれには裏があったのです。


【15年と言っておいて、30年保ったらどうですか?】

「あ、ラッキー!」と思いませんか?


騙されてはいけません。スクラップ&ビルド・・・これがハウスメーカーの本来の戦略です。

 

日本の建築環境は、「良くも悪くも」ハウスメーカーがリードしているのです。


国土交通省のお役人、定年後はハウスメーカーにも「天下り」したいですから・・・

国土交通省はハウスメーカーに倣って、日本の家の寿命を30年と言ってきましたが、最近になって、ようやく40年と言いだしています。


ハウスメーカーが建てる家がようやく、40年もつようになったのではないでしょうか?

 

 

良く考えてみてください。

ハウスメーカーが出現して、日本の家づくりは悪い方へ変わったのです。

ハウスメーカーは建材メーカーに、「加工しやすく」「品質が均一で」「安価な」建築材料を作らせてきました。


本物に似せてはいますが、本物とはほど遠い「偽物建材」が  『いいもの』との錯覚を植え付けました。


現在では、建築材料はすっかり様変わりしています。

 

ハウスメーカーが出現して、良かったことはデザインが格段に良くなったこと。

 

いいことだけではなく、実は悪いことのほうが多かったのです。


 

ハウスメーカーが建材メーカーに作らせてきた、新しい建築材料から『シックハウス症候群』も発生しています。


従来、日本の建築には『断熱』は考えられていませんでした。

断熱材を使うことで、【家が駄目になる】と言ったら、驚きますか?

科学的に作られた「断熱材」は、すべからく家を駄目にします。

 

日本の建築業界は、大きなな反省の時期に差しかかっています。

プラスティックを多用したり、塩ビ樹脂のシートを熱溶着したフロア材や紙を圧縮して作った廻り縁・巾木、更には薄いベニヤ板に木目を印刷した紙貼りの和室の天井材などの薄っぺらな建築材料が、実は最も駄目な材料であることが解ってきました。

 

こんな材料を使っていたのでは、到底30年しかもたないことが、徐々に解ってきたのです。

 

今、自然素材が見直されるようになりました。

 


外壁は本格的な土壁にして、床板はムク板を加工した天然素材のフローリング、内壁と天井には、ビニールクロスから発散する可塑剤の害を嫌って、珪藻土や板壁・更には漆喰などの塗り壁にして、住む人の健康を第一に考える人たちが出てきています。

 

曲がらず反らず、割れないと言われた集成材も、昔通りの天然ものの、ムクの材木による 構造材に戻そうという動きが見られます。

 

ここで非常に重要なこと。

 

ただ単に建築材料を昔通りにしても、やはり保つのはせいぜい40年がいいところ。


現在の日本の家の建て方では、材料だけを考えても何も変わりません。

 

日本特有の気候風土に合った家でないと、材料だけを元に戻しても何の意味も持たないのです。

 

 

偶然にも拙者が住む、湘南地方の気候特性は、

『海が近い』

『夏は30℃以上の気温になる』

『梅雨があり、春秋の長雨がある』

『シロアリが生息している』

と、日本中に同じような条件の処があるのが日本の気候特性。


いわば高温多湿が、北海道を除く日本の住環境なのです。

 

だから、湘南を【日本の代表選手】として考え、湘南を良く知ることによって、代をつないで住み続けることが出来る、丈夫な家を造る事ができる・・・と拙者は説くのです。

 

海が近いことは、夏涼しく冬暖かい事を意味していますが、『潮っ気』に気を付ける必要があります。


最も多く使われている、一部の断熱材は、製造時に『尿素』を使用しており、水分を集める働きがあります。


水分を集めて壁の中や床下に湿気があると、その次はどうなりますか?


「カビが生える」ことは、言わずもがなでしょう?

カビの餌は、ナトリュームであることは、余り知られておりません。

ナトリュームは塩分に含まれています。

床下や壁の間ではびこったカビには、どんな働きがあるのでしょう?

カビは只、単に材木を腐らせるだけではありません。


カビには『シロアリを呼び寄せる、もう一つの働き』があるのです。

 

これで解っていただけたでしょう。


湘南を知り抜けば、日本の家は必ず復活する。


拙者は、30年以上の実務経験から断言します。

 

風通し・建築材料の吸放出性と呼吸性・断熱材を考えることによって、家にとっては最も怖い壁体内結露をなくし、カビを駆逐してシロアリを寄せ付けず、80年、100年と保つ家が造れるのです。

 

残るは家のデザインをどうするか?


これは、建築デザイナーが関わることで、素晴らしいデザインも手に入るでしょう。

有能な建築デザイナーは、ハウスメーカーには居りません。

 

これでも、オプションを付けたらいくらになるか判らない、ハウスメーカーに依頼する意味がありますか?


半値八掛けと言われ、市場価格よりも3割も4割も高いお金を払う価値が、ハウスメーカーに見いだせますか?

 

それでもやっぱりハウスメーカーの方がいい、そう思うあなた。

あなたはきっと、ブランド志向の方だと思います。
しかし、あなたのブランド志向は間違っています。

 

将来、シックハウス症候群になりたいですか?

間違ったブランド志向で、子々孫々にまで、治らない傷害を抱えさせますか?

 

シックハウスはホルムアルデヒドだけを考えれば、それで済む訳ではありません。

可塑剤には『環境ホルモン作用』があることが解っており、遺伝子に傷をつけます。

遺伝子に傷が付くと、間違った方向にスイッチが切り替わって傷害を持った子供が産まれるのです。


テレビのタレントに増えてきた、性同一性障害。

もっとひどいことも起きています。

男の子の性器の下に女の特徴がある、「尿道下裂」という傷害もでてきていますが、『可塑剤』の影響が疑われているのです。

 

これらの傷害は、一度発症すると、絶対に治ることはない、【不可逆的傷害】と呼ばれています。

 

『可塑剤』(かそざい)は、樹脂を軟らかく、加工し易くする【化学物質】です。


様々な建築材料やビールクロス・CFシートなどの直接肌が触れる、仕上げ材料にも含まれており、常にベーパー(蒸気)として発散しています。

 

最近、『危ないかも知れないと思う物は、最初から使わない』という考え方が、若い方を中心に出てきています。

 

あなただけではなく、子供や孫も住む家です。

 

 

家づくり・・・もっと真剣に考えましょうよ!

 


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たいせい

 私は屋根のことしかよくわかりませんが、コンパネもどうもいけないようですね。
普通の木材と違い、接着剤という名の防湿層が結露の温床となっているような気がします。
 10年ほど前まで住んでた家で取り壊しの際よく見ていたら、畳の部屋の床板が見事にカビだらけになっていましたし(畳も今は心材がプラスチックで湿気の逃げ場が無くなったのでは)、野路板にコンパネを使う場合もルーフィングとコンパネの接着層の間の水分が逃げ場を失って悪さをすると聞いていたので、今の家では、いずれも杉のバラ板を使うようにしました。

 とは言っても、コンパネを使わずに家を建てるのは昨今の状況では非常に困難(金に糸目を付けなければ可能?)、湿気の逃げ場が無くならないように、断熱設計と共に防湿面をキチンと設計上で管理しないといけないのでしょうか?
by たいせい (2006-08-05 16:00) 

ラムねーさん

我が家は築4年を迎えます。
鉄筋壁構造の平屋の家です。
この記事を拝見して、恐ろしくなりました。

ムク材の内装、海藻土の壁・・・でもトリプルガラスの窓はしっかりとサッシにはめられ、テラコッタの床材には当然接着剤が使用されています。
夫婦共にかなりのアレルギー体質だと設計士に伝えているので、そのあたりは十分に考えて素材選びをしてくれているとは思いますが、素人目にも改めて見回すと危険がいっぱいです。

ちなみに私の実家は小さな小さな家ですが、祖父が建て、空襲で焼け残った「国宝級」です。増改築を繰り返してきましたが、大本は昔のままです。先日瓦に隙間が出来て雨漏りがひどくなったので職人さんをお願いしましたが、屋根を確認して驚いていました。「素晴らしく立派な梁が通っていますねぇ。今時こんなのにはお目にかかれませんよ」・・・母はちょっと自慢そうでした。
by ラムねーさん (2006-08-05 19:20) 

cuvesx

建築デザイナー、有能と有名はちょっと違いますよね?あまりにデザインを重視しすぎたために作り自体に無理があるのでは?という家もよく見かけます。「夢の買い物」ですから凝ってしまいたくなるのも分かるのですけどね・・。
by cuvesx (2006-08-06 19:21) 

アキラ

たいせいさん
カラーベストは(私は構造欠陥品だと思っていますが)塗装のやり方を間違えると雨漏りを起こします。雨漏りまでは行かなくても、ルーフィングの下は雨水で、びっよりです。
杉板を使って・・・これが正解だと思いますが、見えないtころにお金を使う方は皆無だと言えます。
下地材にこそお金を使うべきなのに、なかなか解って貰えません。
♪ナイスありがとうございます。
by アキラ (2006-08-07 08:37) 

アキラ

ラムねーさんさん
鉄筋壁構造で、築4年目・・・出来る限り開口部(窓や出入り口)を開けて、空気を入れ換えるようになさって下さい。
コンクリートは完全乾燥までに、60年かかるそうです。
北側の天井裏や壁などはカビが生えやすいので、要注意です。
ご実家の家、屋根を改修なさったのでしょうか?
新潟大震災では、多くの古い家が瓦が乗ったまま潰れました。
これは古い家の構造を知らない、屋根屋が、壁の耐力を上げずに、ただ単に瓦を釘で止めてしまったことに原因があります。
知らないとはいえ、人が潰されたり、挟まれたり、死んだりは人災です。
昔の家の建て方を知っている屋根屋なら解っていて、瓦を釘で止めることはしません。
昔の家は、大地震の際には、瓦を落として身軽になって、地震の揺れを吸収したのです。
今は、瓦が落ちる事はダメで、釘で一枚一枚止めます。
しかし、その分、壁の方も強くなっていて、地震の揺れを吸収するのではなく、地震の力に対抗する造りとなっています。

落ちてきた、素晴らしく立派な梁に挟まれて、何人もの方が亡くなっています。
昔の家を「さわる」時には、それ相応の知識と技量がある職人を選ぶ必要があるのです。
屋根屋さんがそのような人であったらいいなー、と思っています。
by アキラ (2006-08-07 08:59) 

アキラ

Honuさん
私が逗子海岸に数年前に造った家は、デザイナー主導でした。
外装はそうでもありませんが、中は凝りまくっています。
100万円以上もするステンドグラスは、全てを台無しにしてしまっています。
大工が「出来ない」と言うこともいくつかやらされましたが、出来上がってみるとゴテゴテとして、折角のいい家がただのつまらない家になったような気がしています。
前を通られたときは、ご覧下さい。
といっても、見えるのは外装だけですが・・・
逗子海岸の道路沿い。
外壁に色つきのモルタル団子を貼り付けた家の「真裏」の家。
1階がベージュ系統のタイル貼り・2~3階は板張りにグレーの塗装の家です。
屋根の上に花火観賞用のテラスがある家ですから、すぐわかるはずです。
いやー、苦労をして仕上げた家でした・・・。
by アキラ (2006-08-07 09:13) 

かな

アキラさんの記事を読んで、ぞっとしました。
たったこの前、ハウスメーカーさんと「契約」するところでした・・・
きっと昔からある古くて趣のある木造の家は、子供たちにも優しいのでしょうね。 家を建てるとき、ついつい「ブランド名」にばかり目がいってしまいますが、本当の意味でのブランドを見つけなくてはいけませんね。
これから、私たちの次の世代、また次の世代が健康で暮らせる家。
立派な家を建てても、そこに暮らす家族が健康でいられないなんて、考えられません!
by かな (2006-08-07 19:12) 

環虚洞

たいせいサンのページで紹介されているのを拝見し訪問いたしました。
住宅の建て替えに際して、古い住居が壊されるのを見るたびに、この廃棄物はドコにいくのだろう・・という複雑な思いをしています。2,30年程度前に造った家を壊して、あらたに大きな家を建てる方も少なくないですが、核家族で大きな家を造ってもそのうち(なんらかの事情で)子どもたちは家を離れていきます。建て主が亡くなることもあります。家族構成は変わります。100年も1000年も、もつ家を造って、ソレを手入れしながら大事に利用し(イギリスがそうであるように聞いていますが)世代を越えて売買あるいは賃貸されながら、家族構成に応じたフサワシイ家を見出せるようにしていかなければならないのではないか・・などと、(シロウト考えながら)感じています。「スクラップ&ビルド」という住宅メーカーの言葉(はじめて聞きました)は、資源の枯渇が唱えられている今日、悪魔のことばのように感じられもいたします。ソコに住むひとのいのち(や環境)が尊ばれる仕方で業界には動いていってほしいものだと思います。
by 環虚洞 (2006-08-08 15:12) 

cuvesx

今度通らせていただく際には(笑)海ばかりではなくそちらにも注意を払ってみます。植物園みたいなサンルーム?のあるお宅より鎌倉寄りでしょうか?
by cuvesx (2006-08-08 19:10) 

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