眼 [日記]
普通の人には、苦もなく読めるのですが・・・
私が会社を始めた頃の話です。
塗装屋さんに、或るお客様の家の塗り替えを依頼しました。
現場へ行ってみると、職人さんがなにやらお客様とトラブッているように見えたので、
お客様に事情を聞いたところ、次のようなことでした。
家の塗り替えのついでに、「犬小屋も塗装して」と職人さんに頼んだのだそうです。
「色はどうしますか?」と聞かれたので、手近にあった箱を見せて「この色で」と
頼んだのに、「塗り上がった色を見たら、頼んだ色とは余りに違っていて、
飛び上がるほど驚いた」ということでした。
「犬小屋だからどうでもいいようなものだけど、違いははっきりしておきたいの!、
職人さんは、『色は合ってる』と言い張るのだけど、私の目の方が可笑しいのでしょうか?」
塗られた色は、全く違っていたのです。
カーキ色(黄土色に近い色)を指定されたのに、紫がかった赤黒い色を作って、
塗ってしまったのでした。
色は私が作り直して「これで、もう一回塗ってよ」で、ことなきを得ましたが・・・
私にはすぐに原因が判りました。
高校生の頃、全く同じようなことで悩んでいた同級生がいたのです。
原因は「遺伝」によるもので、職人さんには全く責任がないことで可愛そうでしたが・・・
こんな人が「色を扱う、塗装の職人」をしていてはいけないと、親方に伝えました。
親方は、「あいつの兄貴も似たところがある」と言いだして・・・
「そーいえば・・・兄貴の方は、白い壁に白い塗料は見えにくいと言って、
白く塗るのを嫌がるんですよ。兄弟で何か眼に異常があるんですかね~」
この職人さんは、赤と緑の見分けが付かない『赤緑色盲』でした。
日本人は男性の7%,女性の0.6%の人が赤緑色盲または赤緑色弱なんだそうです。
その後、彼とその兄貴はどうしたのか?
それ以後、彼に会うことはありませんでした。
『網膜色素変成症』って知ってますか?
私の友人が、今、この病気に冒されています。
最初の頃の症状は『鳥目』になったみたいで、夜は極端に見えにくくなり
「俺も歳取って、ついに白内障になったのか?」と思っていたのだそうです。
だんだんひどくなってくるので、『手術かな?』と思いながら、
大病院の眼科に行って判ったのだそうですが・・・
「遺伝子レベルでの問題のため、今の日本の医療では手の施しようがない」
「徐々に視野が狭くなって、そう遠からず失明する」と言われたのだそうです。
5000人に一人くらい発症する、遺伝病の一種だとも。
最近では、すっかり視野が狭くなってしまった彼は、
お互いにすれ違っても、真正面から少しずれていると私に気づきません。
真横に来るまで待って、いきなり「おいっ!」腕を掴んで脅かすと・・・
「うわっ!びっくりした~!」と、こんな調子です。
既にそれほど視野が狭くなっているのですが、けなげにも結構明るく過ごしています。
「何だよ!、通り過ぎても知らん顔か?」わざと言う私に、彼は臆することもなく言い返すのです。
「悪かったな~!・・・俺の眼は『いい女と、ハンサムな男』しか見えないんだよ!」
夜は、もう飲みに出ることもなくなった友人。
今、彼は・・・やがてやってくるであろう『暗黒の恐怖』と必死に闘っています。
『友人として、何とかしてやりたい』そうは思っても、相手が遺伝病では
「手も足も」出せません。
彼が何か悪いことをした訳ではないのに・・・ふと、彼のことを考えるとき、
もどかしいジレンマに襲われるのです。
私が会社を始めた頃の話です。
塗装屋さんに、或るお客様の家の塗り替えを依頼しました。
現場へ行ってみると、職人さんがなにやらお客様とトラブッているように見えたので、
お客様に事情を聞いたところ、次のようなことでした。
家の塗り替えのついでに、「犬小屋も塗装して」と職人さんに頼んだのだそうです。
「色はどうしますか?」と聞かれたので、手近にあった箱を見せて「この色で」と
頼んだのに、「塗り上がった色を見たら、頼んだ色とは余りに違っていて、
飛び上がるほど驚いた」ということでした。
「犬小屋だからどうでもいいようなものだけど、違いははっきりしておきたいの!、
職人さんは、『色は合ってる』と言い張るのだけど、私の目の方が可笑しいのでしょうか?」
塗られた色は、全く違っていたのです。
カーキ色(黄土色に近い色)を指定されたのに、紫がかった赤黒い色を作って、
塗ってしまったのでした。
色は私が作り直して「これで、もう一回塗ってよ」で、ことなきを得ましたが・・・
私にはすぐに原因が判りました。
高校生の頃、全く同じようなことで悩んでいた同級生がいたのです。
原因は「遺伝」によるもので、職人さんには全く責任がないことで可愛そうでしたが・・・
こんな人が「色を扱う、塗装の職人」をしていてはいけないと、親方に伝えました。
親方は、「あいつの兄貴も似たところがある」と言いだして・・・
「そーいえば・・・兄貴の方は、白い壁に白い塗料は見えにくいと言って、
白く塗るのを嫌がるんですよ。兄弟で何か眼に異常があるんですかね~」
この職人さんは、赤と緑の見分けが付かない『赤緑色盲』でした。
日本人は男性の7%,女性の0.6%の人が赤緑色盲または赤緑色弱なんだそうです。
その後、彼とその兄貴はどうしたのか?
それ以後、彼に会うことはありませんでした。
『網膜色素変成症』って知ってますか?
私の友人が、今、この病気に冒されています。
最初の頃の症状は『鳥目』になったみたいで、夜は極端に見えにくくなり
「俺も歳取って、ついに白内障になったのか?」と思っていたのだそうです。
だんだんひどくなってくるので、『手術かな?』と思いながら、
大病院の眼科に行って判ったのだそうですが・・・
「遺伝子レベルでの問題のため、今の日本の医療では手の施しようがない」
「徐々に視野が狭くなって、そう遠からず失明する」と言われたのだそうです。
5000人に一人くらい発症する、遺伝病の一種だとも。
最近では、すっかり視野が狭くなってしまった彼は、
お互いにすれ違っても、真正面から少しずれていると私に気づきません。
真横に来るまで待って、いきなり「おいっ!」腕を掴んで脅かすと・・・
「うわっ!びっくりした~!」と、こんな調子です。
既にそれほど視野が狭くなっているのですが、けなげにも結構明るく過ごしています。
「何だよ!、通り過ぎても知らん顔か?」わざと言う私に、彼は臆することもなく言い返すのです。
「悪かったな~!・・・俺の眼は『いい女と、ハンサムな男』しか見えないんだよ!」
夜は、もう飲みに出ることもなくなった友人。
今、彼は・・・やがてやってくるであろう『暗黒の恐怖』と必死に闘っています。
『友人として、何とかしてやりたい』そうは思っても、相手が遺伝病では
「手も足も」出せません。
彼が何か悪いことをした訳ではないのに・・・ふと、彼のことを考えるとき、
もどかしいジレンマに襲われるのです。
☆写真の絵はものすごいリープマン効果が現れておりますね。
目がチカチカしますよ。
by ijimari (2008-10-27 12:39)
本当に色々な病があるんですね、私も目に関してはとっても敏感で毎月、白内障の検査、予防の目薬等を点しています、視野が狭くなるのはとっても不安な事と思います。
by myumyu (2008-10-27 19:39)
先日、人工網膜の話題をテレビで見ました。網膜のある場所や脳にチップを埋め込むらしいです。現在は解像度が低いらしいですけど、すこしずつ研究で解像度が上がるらしいです。科学の進歩ってすごいですよね。
by かなりあ猫 (2008-10-27 23:43)
今、嫁さんと開業に向けた打合せ中です。。。
実は僕も赤緑色弱です。
薄暗がりだと特に微妙な色が判りません。
高校生の頃、「仕事や学校が制限される」と随分怯えていましたが、
実際はそれ程ではありませんでした。
でも、やはりハンデを背負っていると思うことはあります。
by 浜松自宅カフェ (2008-10-28 01:18)
ijimariさん
さすが~!インテリアコーディネーター1級~っ!^^
コメントを読んだ方のうち、殆どの方が解らずにとまっどっていると思いますよ^^;リーブマンって、なんだ?って^^;
試験に出ましたか?リーブマン効果が?
by アキラ (2008-10-27 13:38)
by アキラ (2008-10-28 14:28)
myumyu さん
白内障予防の点眼薬があるのですか?
私は気管支喘息の薬の副作用で、いずれ白内障になるそうです。
今にも、ものが霞んで見えるのではないか?と、思うことがあります。
まぁ、なったらなったで、手術ですかね?
by アキラ (2008-10-28 14:32)
かなりあ猫さん
私もその番組は見ていました。
あのご婦人は、確か若いときに発症されて、30年後位に失明されたのでしたね。彼の場合は、もう間もなくのようですが、今の日本の医療技術ではどうにもならないのだそうです。
残念ながら・・・
by アキラ (2008-10-28 14:34)
by アキラ (2008-10-28 14:37)
浜松自宅カフェ さん
大変失礼致しました。
知っていたら赤緑のことは、書かなかったと思います。
昔は仕事の巾も制限されたかも知れませんが、今では全くそのようなことはないのだろう・・・と思っています。
高校時代の同級生は色弱ではなく、赤緑色盲の方ではなかったかと思います。先生が緑色の黒板に赤のチョークで書くと、「見えない」と言っていましたので。
by アキラ (2008-10-28 14:42)
by アキラ (2008-10-28 14:43)
まったく気にしていませんからお気遣いなく。
子供の頃(判明したのは幼稚園入園時だったと思います)から、
ですし、それも含めて現在の自分ですからね。
by 浜松自宅カフェ (2008-10-29 11:02)