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コンクリート症候群(マンション生活者必見!) [湘南の家づくり]

 

コンクリート造マンションにお住まいの方、必見です。 

 

今日の記事のヒントを与えてくださったのは、ブロガーのtoyoさん。

「シロアリ屋の独り言」というブログをお書きになっています。

記事の発端となったのは、toyoさんのこの記事 ↓

http://blog.so-net.ne.jp/siroari/2008-02-16

 

最初目にしたときには、『まさか?!・・・こんなことが!』と思ったものでした。

『よし!一度調べてみよう』そう思い立って、図書館やNETで調べた他に卒業した大学の

研究室にも出向きました。

 

今日は、その結果の注目すべき記事です。

 

 

コンクリート造マンションにお住まいの方にとっては、今日の記事は実にショッキングな

話となりました。

日本ではまだ余り問題視されてはいませんが、欧米では既に大きな問題となっています。

それは、コンクリートから放射する有害な『ラドン』と、コンクリートからの『冷輻射』

これらが相まって、飛んでもない事になっていることが解ってきたのです。

 

コンクリートの壁にガイガーカウンター(放射能測定器)を近づけると、激しく針が振れる

のだそうです。

コンクリートからはラドンの他、ガンマ線も放射されていますが、ガンマ線は主に「鉄筋」から、

ラドンは「コンクリート」から放射していることが判っています。

 

『ラドンとかいうものが出ているとして、それがどうしたの?』

『ラドン温泉なんかもあって、ラドンって健康にいいんでしょ?』


マンションにお住まいの方は、きっと この程度の認識ではないしょうか?

 

では、書いていきましょうか?

 

まず・・・『ラドン』とはなんぞや?

ラドンは大地に広く含まれる、「ウラン」が放射能を出しながら変化したもので、

安定的な「鉛」に変化するまでの過程にある放射性物質です。

放射線を出していて、ラドンを吸い込むと肺細胞に被爆して、時に肺ガンを発症させるという

恐ろしい物質です。

コンクリートから放射されていることがわかっており、建築時に「山砂」を使うことでさらに

放射量が増幅されています。


 

では次に、『冷輻射』という言葉をご存じでしょうか?

コンクリート造のマンションにお住まいの方、「体が冷えて仕方がない」という覚えは

ありませんか?

温度がある物は全て、「遠赤外線」を出しています。

「遠赤外線」の放出力は、温度が低くなればなるほど小さくなることが判っています。

そして、温度が高い方から低い方へ向かって、遠赤外線が出ていきます。

夜・・・壁が冷えてくると、室内で生活している人の温度の方が高くなって、

壁の面に向かって急激に熱が出ていき、体は冷えてしまいます。

・・・と言っても理解しにくいですから、具体的な例を挙げると、

裸足で冷えた床に立つと『ヒヤッ』とした冷たさを感じます。


これが『冷輻射』です・・・暖かい体から、冷たい床面に向かって熱が奪われているのです。

冷輻射は床や壁に体が密着していなくても起こります。

 

『体が冷えて仕方がない』 『私は冷え性だから・・・』こんな言葉で簡単に片づけられてきた

「冷える」現象。

コンクリートに囲まれた家にお住まいの方は、コンクリートからの『冷輻射』によって

『体の芯から、体熱を奪われてしまう』ことが解ってきたのです。

 

赤ちゃんが産まれても、母親が長年の冷輻射を受けたことによる『低体温児』だったり、

正常に生まれても『成長阻害』が生じたりしています。

『切れる子供』や『行動障害を持つ子供』が現れたり、大人になってからの『高血圧症』

『若年性アルツハイマー症』 『認知症』 『神経症』を発症する率も、格段に高くなっている

ことも解ってきたのです。

 

コンクリート造マンションにお住まいの「妊婦」の『流産率』は木造に住む方の約6倍、

異常分娩率も27%で、木造に住む方の約2倍に上ります。

更に、出生率は木造の2.3人に対して、コンクリート造に住んでいる方は1.7人となっており、

『子供がどうしても欲しい』という方は注目に値します。

まだあります。

コンクリート住宅に住む方には、『乳ガン』や『腎臓ガン』の発症率も高いことも判っています。

 

島根大学の中尾哲也教授の研究によれば、コンクリート造のマンションに住む方は、

木造に住む方より『9年も早や死に』するそうです。

煙草を吸う方と吸わない方の、肺ガン死による年数の差は3年だそうですから、

如何に問題が大きいかが判ります。

 

特に、コンクリート造の空間の中で昼間の時間を過ごし、夜はマンショに帰って休む

という方にとっては、非常に危険率が高まることになります。


コンクリートからのラドンの放射以外にも、内装の下地材として使われている

『石膏ボード』(=耐火ボード)や、エントランスの天井などに多用されている『コンクリート板』

からは、桁違いのラドンが放出されていることも知られています。

 

コンクリート造マンションにお住まいで、内装下地に石膏ボードが使われているお宅は、

最悪だということになります。

 

また、木造住宅にお住まいであっても『内装下地』として『石膏ボード』が使われているお宅は、

同じような懸念がありますが、木造の場合にはコンクリート造マンションほど、気密が良くない

ことが偶然にも幸いしています。


尚、木造住宅の『高気密』住宅はコンクリート造マンションと同じで、危険率が高い

と考えなければならないでしょう。


アメリカではアメリカ環境保護庁(USEPA)が、スェーデンでは放射線防護機関(SSI)が

住空間のラドンについて調査に乗り出すなど、先進国は既に真剣に取り組んでいます。

薬害エイズ・薬害肝炎などだけではなく、シックハウスの原因物質の無公表と同じように、

『企業を守る姿勢が強い』日本の実状はお寒いばかりです。


ここ数年前からWHO(世界保健機構)も『住宅のラドン濃度』について注目し始めています。

 

コンクリート造のマンションにお住まいの方、さあ!どうします?!

どうすればコンクリートからの『有害なラドンの被害』と『冷輻射』を回避できるでしょうか?


「さあ、大変!」と、何も急いでマンションを売って、木造住宅に引っ越しする

必要はありません。

 

『ある一定の方向性を持ってリフォームする』ことによって、『ラドン』と『冷輻射』を『無害化』

出来るのです。

 

いつも家族が生活しているリビングや寝室、そして、これから先の長い時間を生きていく

子供部屋だけでも『ラドンと冷輻射の、無害化リフォーム』を計画されたら如何でしょうか?

 

 

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メンテとリフォーム [湘南の家づくり]

 築20年で『白蟻の群落』こうなりたいですか?

 

建築業者でありながら、昨年は極力建築のことから離れた話題で通して来ました。

しかし、やはり「長年かかって知り得た情報」は開示すべきであろうと思い、

今年は折に触れて書いていくこととしました。

 

車をお持ちの方は、タイヤのローテーションやエンジンオイルの交換など、

結構「手入れをしている」ことだと思います。

ご自分の体は如何でしょう?

人間ドックに行ったり、健康診断をしたり、風邪を引いたら暖かくして早めに休んだり、

メタボに気を付けたりしていませんか?

では、家については、手入れのための予算がありますか?手入れの計画がありますか?

私(今年から拙者はやめました)が知る限り「家を建てても、メンテナンスのことは考えてない」

という方が殆どです。

家も車も人間も、実はみんな同じように、『手入れが必要』なのですが・・・

 

 『メンテナンスとリフォームの違い』が判りますか?

殆どの方は、同義語だと思っているようですが、実は歴然と違うのです。

風邪を引かないようにウガイをする又は風邪を引いたら薬を飲んで直す・・・これはメンテナンス。

風邪をこじらせて肺炎を併発、入院加療や手術・・・これがリフォームだと考えたら

解り易いのでしょうか?

 

メンテナンスは「補修」 「整備」 「手入れ」 「保守」であるのに対して、

リフォームは『作り直し』 「増築」「減築」などの『改築』を意味します。

家の場合には、メンナンス次第で長持ちもすれば、すぐにダメにもなるのです。

 

マンションにお住まいの方は、当然のように『管理費』と『修繕積立金』を払っています。

戸建ての場合には、『修繕積立金』に該当する金額を『毎年のメンテナンス費用』として、

自分で積み立てておく必要があるのです。

その金額に付いて、ある大手のHMは、900万円/60年と言っているようですが、

実はこの金額には、設備機器(ユニットバス・システムキッチン・洗面台・便器等)の

取替費用は入っておりません。

これらを勘案すると、1000万/50年が、どうやら正確だろうと思います。

 

問題は家を入手した際に『長期修繕計画』も出さない建築業者の存在と、メンテナンス

など「どこ吹く風」の居住者の意識と無知なのです。

本来、木造住宅であっても、100年以上の寿命があるものです。

一般的に新築時に安い材料を選べば、それなりに比例して耐久性は低くなります。

その上、メンテナンスをしないから、20~30年ほどで『建て替え』の時期を迎えるのです。

 

今年は、 折に触れて・・・

『家のメンテナンスとは何か?』

『メンテナンスは、いつやったらいいのか?』

『家のどこをどのようにメンテナンスしたらいいのか?』

『メンテナンスはどんな業者に頼むのがベストか?』等について、書いていきましょう。

 

家について書くと、色々なご意見を頂戴します。

たまには噛みついて来る方もいらっしゃいます。

特に既にHMで家をお建てになった方には、面白くない表現もあるかと思います。

更に私が『家』と表現した場合の範疇には、「建て売り住宅」は入れておりません。

『建築業者には、こんな奴もいるのか?』程度に、軽い気持ちでお読み戴けたら幸です。


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見落とすな! [湘南の家づくり]

 

家の新築やリフォームを計画する際に、【補助金】の支給について考えたことがありますか?

 

補助金の原資には、私たちが支払った『血税』が使われています。

知っている人だけが得をしていて、知らない人には誰も教えてはくれません。

業者だって教えてはくれないのです。

何故なら・・・手続きが煩雑で、面倒くさいから。

 

工事が終わって気づいて申請しても、受け付けては貰えません。

必ず事前に、どのような添付書類が必要か?についても調べておく必要があります。

 太陽光発電は国(窓口はNEF 新エネルギー財団)から10万円程度の助成がありましたが、

平成17年度までで、打ち切りとなりました。

現在では各地方自治体が20万円程度の補助金を支給しています。

 

【介護保険】からの補助もあります。

要支援又は要介護1~5の認定を受けると、住宅改修工事に関して、補助金の支給を

受けることができます。

20万円を限度として、その9割・・・つまり18万円が補助金として支給されます。

 

浄化槽に代わる合併処理槽の設置では、規模にもよりますが約50万円以上補助される

場合もあります。

木造住宅の耐震診断・耐震改修工事・生け垣設置の奨励金や危険ブロック塀改修への補助、

エコジョーズやエコウィルなどの高効率給湯器の設置やガラストップコンロなどの

高効率厨房機器の設置、雨水タンクの設置や生ゴミ処理機の設置、更には、

水洗化工事の補助や国産材を使って家を建てる場合の補助・不燃化工事に関する補助の他、

がけ地近接住宅の移転に支払われる補助金まであるのです。

 

地域振興を目的に他の市町村からの転入を前提として、「住宅建設」に対して出る補助金も

ありますし、高齢化対応改造や身障者向けに住宅を改造する際にも補助金が支給される場合が

あります。

飛行機の爆音がうるさい地域では「航空機騒音に対しての防音工事」にも補助金が支給

されています。

ざっと並べてみただけで、こんなにあることに驚きます。

 

全ての地方自治体が、このような補助金を用意しているわけではありません。

しかし、家の新築・増築・改築・減築・リフォームなどを計画する際には、

先ず『補助金』の有無を真っ先に調べるべきではないでしょうか?

 

驚くことには、これらの補助金の殆どは『返す必要がない』ということです。

『貰った者の勝ち』ですから、多少手続きが煩雑であっても、『やってみる価値大いにあり』

だとは思いませんか?

 

補助金制度には何年も続いているものや単年度だけのもの、申請時期や期間が決められて

いるものと様々です。

申請に際して色んな添付書類を要求する割には、申請期間が非常に短いものもあります。

 

いずれにしても、各補助金の支給を申請するには、決められた各種の添付書類が必要です。

「面倒臭いから、いいや!」で済ますことなく、ロハで貰えるものは、しっかり貰っておくべきだと

思うのですが・・・・。

 

家に関して『なにかしら、計画したとき』には、

市町村役場へ出向いて、『補助金の対象』にならないかを問い合わせてみたら如何でしょう。

 

再度書きますが、『補助金の原資は、皆さんが支払った税金』なんですから。

 

 


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犯人は、すぐ傍に? [湘南の家づくり]

 障害の犯人の『手』は、すぐ傍に・・・

 

今日は 『子孫にまで、悪影響を及ぼすかも知れない建材』 について、書いていきます。

昨日、拙者は厚生労働省が13物質を公表していると書きました。

では、その13物質とは何を指すのでしょう?

下記の通りです。

1.ホルムアルデヒド 2.アセトアルデヒド  3.トルエン 4.キシレン 5.エチルベンゼン

6.スチレン 7.パラジクロロベンゼン 8.テトラデガン 9.クロルピリホス 10.フェノルカルブ

11.ダイアジノン 12.フタル酸ジ-n-ブチル 13.フタル酸ジ-2-エチルヘキシル 

実は厚生労働省は単に公表した訳ではなく、危険物質として『化学物質について、

室内の濃度指針を公表』しているのです。

 

しかし、国土交通省の方はシックハウス法で、ホルムアルデヒドと、9番目のクロルピリホス

だけを規制するにとどまりました。

クロルピリホスは『防蟻材』に含まれている化学物質ですが、現在では『全く使用してはいけない』

物質として規制されており、実質的にはホルムアルデヒドだけが問題となっています。

 

今日はこの13物質のうち、 子孫に影響を及ぼすものとして、フタル酸ジ-n-ブチルと

フタル酸ジ-2-エチルヘキシルを取り上げます。

 

少し長くなりますが、興味がおありの方は、こちらからどうぞ!

続きを読む


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大丈夫か?その珪藻土 [湘南の家づくり]

 珪藻土の顕微鏡写真です。多孔質・・・見えますか? 

 

『珪藻土』は自然素材で、吸着性があり、有害なホルムアルデヒドなどを吸着してくれる。

シックハウス症候群の知名度が上がり、『珪藻土』は、時代の寵児のように思われています。

実際、内装材料に関する打ち合わせに於いても、必ずと言っていい程話題に上ります。

『珪藻土』について、しっかりした説明が出来る方も少なく、「珪藻土も、いろいろですからね~」

などと、つかみ所がないことを言う建築業者さえいらっしゃる状況です。

 

さて、この『珪藻土』・・・少し詳しく、お話ししてみましょう。

 

続きを読む


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手抜き工事 展示会 [湘南の家づくり]

 広い範囲で、防水紙や壁の下地が貼られてない箇所も・・・

2階の外壁を剥がしたら、いきなり断熱材が「こんにちは」で、ビックリでした。

しかし・・・これはまだ序の口でした。

 

30数年の間 建築業を営んでいて、数々の現場を見てきました。

今日の記事は、『家の造り方を間違えると、こうなります』という、見本品展示会です。

 

拙者も大概ひどい現場を見てきましたが、この現場はその中でも1・2を争う強者でした。

 

実はこのお宅、逗子市内の『名だたる、工務店が約30年程前に建てた』おうちです。

『開けてビックリ、玉手箱』ならぬ、『手抜き箱』でした。

 

あらゆるところで、家の造り方を間違っていました。(と、良心的に書いておきましょう)

「知っていて、確信犯的にやった」 とは考えたくありませんから・・・

 

 赤く見えるのは、折角お金をかけた「銅板」の水切りです。

黒い紙は防水紙・・・本来、防水紙は水切の上まで貼るものですが、水切りの方が上になっています。

これでは仕事が逆ですね。

 

 外壁材(木の板)を剥がすと、中には大きな穴が・・・

 勿論 断熱材は入っていません。

 

断熱材の不連続性は、却って結露を増幅させます。

 

 何故か天井裏には、大きな足場板が5寸釘で打ち付けられて・・・

「やることが凄い!」・・・大工さんも呆れていました。

これは2階の床の「軋み止め」だと思うしか、他に考えようがありません。

軋み止めならば他にやりようがあるのに、このやり方はかなりの 『?』 です。

 

 

 サッシ廻りの防水テープも施工されていませんでした。

「雨水さん、どうぞ お入んなさい!」状態です。

 

壁に入っていた「間柱」は一周り細く、しかも全て「寸足らず」 

日本家屋の芯壁(柱が出っ張っている壁)の場合の間柱は、

イッサンインゴ(1寸3分×1寸5分= 40㎜×45㎜)を使うものですが、

この家に使われていたのは、インニッサン(1寸2分×1寸3分=(36㎜×40㎜ )の、

一周り細い材木でした。

シロアリくんに食べられていなくても、家の強度的に問題あり!です。

 

「間柱」を切って揃えるときに、寸法間違いをしたのでしょう。

普通はそのまま使うことはありませんが、この現場ではそれが使われて・・・

 

断熱材には総体的にカビが生えていました (断熱材が黒く見えるところは、ひどいカビ)

断熱材は黒くなっていない部分まで全体的にかなり湿っており、既に断熱材の役目を

果たしていませんでした。

 

その結果が・・・ジャーン!

 

  土台はこの有様。 シロアリが見えますか?

 

真ん中辺りに点々と列を作っているのは、驚いて逃げ出すシロアリくんたちです。

 

壁体内結露(壁の中や床下の結露)が起きると、必ずカビが生えます。

カビには木材を腐らせる働きの他、「シロアリを呼び寄せる」という働きがあります。

そして、カビの餌は「有機物とナトリューム」なのです。

海に囲まれている日本の家、ナトリュームの補充は十分すぎる程できるのです

特に湘南地方は海が近く、余程気を付けなくてはならないのです。

 

問題は結露による木材の含水率。

シロアリは水分が無いところでは 、生きていけません。

木材が乾いてさえいれば、シロアリの食害に遭うことはないのです。

 

これが、直接目で見ることが出来ない、壁体内結露の恐怖です。

 

家の造り方を間違えて、或いは知っていてやった手抜きの結果で、家はこのように

なってしまうのです。

 

この家にいたシロアリは、「ヤマトシロアリ」

それほど高いところまでは登らないと言われています。

 

実際に新築時には、土台から1m上まで防蟻処理をすればいい事になっていて、

良心的な防蟻業者でも1.2mから、せいぜい1.5m上までしか処理をしません。

 

この家は、雨仕舞もメチャクチャでした。

「雨水は壁の中を通すもの}と間違っているとしか思えない施工がなされていました。

 

そして・・・

 

 この写真は、決定版。

シロアリが持ち上げた「土」です。

 

これは、屋根のすぐ下(柱の上)にある「桁」に作られた「ありみち」です。

 

シロアリは空気に触れる事を極端に嫌います。

土と口から出す粘液で「ありみち」を作って、その中を移動します。

ヤマトシロアリでも、水分さえあればどこまでも登ることが証明された、決定的な写真です。

 

ありみちの土を退けたら、桁はしっかりシロアリに食い荒らされていました。

桁まで取り替えた現場・・・・初めての経験でした。

 

結局、土台と桁を入れ替え、柱は切り繋ぎ、雨仕舞を全てやり直し、外壁面は断熱材から

入れ直して外壁を張り直しました。

 

予定では1回だけ来て貰って、床下の木部と土壌処理をやるつもりだった防蟻業者には

シロアリが出るたびに、3回も緊急出動の要請となりました。

 

梅雨明けには、屋根の葺き替えも行います。

屋根の葺き替えは、万一の雨に遭わないよう、天気を見ながら一気に行わなくてはなりません。

そのため、大勢の職人が屋根に登って作業をします。

 

『屋根が落ちなければいいが・・・』 今から心配をしています。

 

正直なところ・・・『この家はよく倒れずにたっていてくれた』と思います。

 

しかし、今回我が社が徹底的に手を入れました。

定期的にシロアリの点検と処理をしていけば、もしシロアリの残党が、生き残っていたとしても

壊滅できるでしょう。

 

そして・・・この家の寿命も延ばすことが出来ました。

 

今日の『展示会』 ご覧になって、どのようにお感じになったでしょうか?

 

 


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ワークショップ [湘南の家づくり]

 

『家づくり学院』のワークショップを、茅ヶ崎でやってきました。

参加者は約20名。

まずまずの成功だったと思います。

家づくり学院は、『地域の方々への恩返し』のつもりで、数年前に拙者が立ち上げたものです。

講師の方々も、拙者の意向に賛同してくれて、ボランティアで参加してくれていました。

しかし、受講者集めが難しく経費だけが膨らんで、家計を圧迫していました。

 

今回、『NPO 湘南スタイル』さんのご協力で、計画・立案から会場の手配、

更には人員のお手伝いまで、何から何までご協力戴き、成功裏に事が運びました。

来週4月21日土曜日にも、同じ会場で第2回目を、更には5月12日・19日と全4回の日程で

行う予定です。

 

今までの『家づくり学院』は、専ら『教える』という形態で進めてきました。

『学院なのですから、教えて当たり前で、外のことは何も考えてはいなかった』というのが正直な所です。

しかし、NPO 湘南スタイルさんの若いスタッフの方々は『これではうまく行かない』

と思われたのでしょう。

まるっきり、形態を変えて『ディスカッション形式』でのワークショップを、立ち上げてくれました。

昨日は、参加者の自己紹介の後、若い女性の建築士さんから『設計事務所って?』『設計の流れ』

『設計事務所との付き合い方』等に付いて説明があり、それに対して質問があったり、

他の分野の専門家(構造設計士や建築業者)からの補足事項があったりで、話しが進みました。

 

次に、拙者が『湘南に家を建てるということ』について話し、『湘南地方の気候や風土の特性から家

づくりを考える方向性を示唆』し、和気藹々とした楽しい雰囲気でディスカッションをしてきました。

 

お茶とお茶菓子も用意されていて、心憎いばかりの心配りに感謝しきれないほどでした。

次回は『マンションを買ってリフォーム』した方が講師として話をされます。

今回の家づくり学院は、只単に『家をつくる』だけにとどまらず、『中古住宅を買った方』や

『地元の工務店で家を建てた方』も講師として参加していただきます。

広い意味で、『いい家』を手に入れる方向性を探る・・・そんな家づくり学院を目指す事になりそうです。

 

 


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家の寿命 [湘南の家づくり]

 せめて何頭かで吠えれば・・・・『ウオーッ!』

 

家の寿命について考えてみた。

今の日本の住宅は、新築から30年も経つと、何故か建て替えられる。

住んでいる方も気にしているようで「この家は32年目なんですよ、もう、建て替

えた方がいいでしょうか?」などとよ~く耳にする。


実際には建て替える必要のない家が、15年~20年程でどんどん取り壊され

て、建て替えられた時期がある。

それは、1980年代後半から始まった、バブル期。

「日本の家は15年保てばいい」

日本を代表する、ある大手ハウスメーカーの社長が上げた『狼煙』が口火だっ

た。


新築して20年も住めば、「もう、そろそろ建て替えですよ、お近くの○○さんは

16年目で建て替えられましたよ」

バブル期には『15年もてばいいところ、20年も住めば儲け物』・・・ハウスメーカ

ーはこんな印象を与え続けてきた。。

そして、バブルがはじけた後も、30年も住めば・・・・と言うわけだ。

 

30年、35年の住宅ローンを払い終わったら、「もう建て替え」では、あんまりだ

ろう。


これには家を建て替える方が知らない『訳がある』

 

『住宅の減価償却期間』について、ご存じだろうか?

鉄筋コンクリート住宅の減価償却は47年、重量鉄骨住宅は40年、軽量鉄骨

住宅で30年、そして木造住宅はなんと22年と決められているのだ。


この年数は、住宅の寿命とは全く関係ない。

ましてや、家の強度や性能にも何ら関わりがない。

 

拙者が作る木造住宅は、80年も100年ももつように考えて造る。

代を繋いで住み続けられる家。

本来、家の寿命とはそのように長いものなのだ。


ハウスメーカーが、住宅の寿命と減価償却時期をリンクさせて、誤った印象を

刷り込んでいるだけ。

ハウスメーカーの知られざる至上命題は『築後22年経過で、価値が零になって

しまった木造住宅は、早いところ建て替えを勧めろ!』ということなのかも知れ

ない。


減価償却期間の短さは逆に有効な面もある。

店舗併用住宅などは、たったの22年で償却させてもらえるのだから、『木造』を

選ばない手はない。


減価償却期間は他にも影響している。

年数を経た中古住宅の価値・・・そこに家があって、十分に住まえる以上、何年

経過していようとも無価値である筈がない。

しかし、年数を経た中古住宅の価値は実際のところ、リフォームの有無に拘わ

らず・・・・『零』

 

そして・・・・・・・建て替えられていく。


 

家の価値・寿命と減価償却期間は『全くの別物だ』と言うことを理解して欲しい。

と、拙者が言ってみたところで、『犬の遠吠え』なのだろうか?

仲間を増やして、せめて何人かで『吠えまくれば』少しは違いが解って貰えるの

だろうか?

 

家づくり学院では、声を大にして語っているのだが・・・・・


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朽ち行く家 [湘南の家づくり]


30代のご夫婦が、一世一代を掛けて建てた高気密・高断熱の家です。

建ててから約9年が経過したそうですが、このたび相談を受けました。

 

窯業系サイディングの継ぎ目に施工されたコーキング(目地の防水材)は劣化

して剥がれが目立ちますし、外装(壁などの塗装)も既に塗り替えの時期を迎え

ています。

 

 

本来サイディングの継ぎ目には、目地ジョイナーという、防火材を入れるもので

すが、手抜きでしょうか?・・・入っていません。

 


ことはそれだけでは済みません。

これは『表面結露』・・・・サイディングの継ぎ目から流れ出るほどの結露です。

こんなにひどいものは滅多にお目にかかれません。

 

表面結露とは、人の目に付きやすい壁等の表面に発生するものです。

表面結露は冬季に、表面温度が周囲の空気の露点温度より低い部分で発生

します。

断面欠損部、断熱性の悪い開口部のサッシや窓ガラス面、外壁隅角部、構造

材などの熱橋部で起こりやすい種類の結露です。

近所の人が言うには、新築時に大雨にあって、折角入れた断熱材が水浸しに

なったそうです。

濡れたままの断熱材がそのままの状態で、外壁のサイディングを貼られてしま

ったのでしょう。

 

心配で問い合わせたご夫婦に、ハウスメーカーの担当者は「断熱材は絶対に

濡らしてない」と強調したそうです。

ご近所の方々が言うことの方が、こういう場合には正しいと思うのですが・・・

このお宅では、新築後7年目にシロアリが羽化して飛び立つのも目撃されてい

ます。

恐らく壁の中(壁体内)はカビがはびこって、もの凄いことになっていると思いま

すが、とてもそこまでは言えませんでした。

 

『目に見えて、朽ちていく』・・・そんな印象を受けたお宅でした。

 


ご夫婦はこのままではまずい事は理解していますし、何とかしなければならな

いことも解っている伏がありました。

しかし、悲しいかなこのご夫婦は「ローンを支払うのが関の山で、先立つものも

なく、新たなリフォームローンも組めない」と言います。


 

話の中で、幸いにして10年保証があると聞きましたので、早急にクレームとし

て申し入れるようアドバイスしましたが・・・・

さて、ハウスメーカーさん、どのような対応をしてくれるでしょうか?


腹立たしい想いとやりきれない想いを噛みしめると同時に『こんな家だけは、決

して造るまい』心に刻みつけたケースでした。


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新しい『欠陥住宅保険』に思う [湘南の家づくり]

 キケンブツ(欠陥住宅)は、これから、もっと増える。

 

 

新築住宅に瑕疵や欠陥があり、売り主に倒産等があっても、保証を受けられる「欠陥保険加入」が2008年度から義務づけられることになりました。
       
国交省はアネハみたいな建築士が出現したことで、欠陥住宅についても何らかの『保証』の必要性感じて、その対策を講じたつもりかも知れません。

 

しかし、「その前にやることがあるのではないか」という気がするのは、拙者だけでしょうか?

 

ご存じだろうと思いますが、既に2004年4月から、住宅品質確保促進法が施行されており、住宅性能保証制度が確立されています。

簡単に説明すると、この法律は、基礎や雨漏り等の瑕疵について10年間の保証の義務を意味します。

 

検査や保証を行う第3者機関もいくつか誕生して、中小・零細建築業者のバックアップを行っています。


因みに拙者が経営する会社は、『住宅保証機構』に加盟して10年保証に対応しています。

 

中小・零細建築業者向けにバックアップするための第3者機関であるにも関わらず、建築業者の加入率は、新築住宅全体で見ると、僅かに、10%にも満たないのです。

 

では、90%以上の新築工事を請け負っている、全国の建築会社は、建築主に対して独自に10年保証の契約をしているのでしょうか?

・・・・といえば、その答えは【NO】でしょう。

 

これは取りも直さず、建築主の無知につけ込んで、10年保証すら満足に対応していない建築業者が如何に多いか?

と、いうことを物語っています。

 

住宅品質確保促進法による10年保証・・・拙者の会社では、自分の会社の利益から保険料を支払って建築主に対して保証をしています。


敢えて口にしたくもないことですが、10年保証に対応している建築業者のうち、殆どの会社は建築主に保険料を支払わせているのが現状なのです。

 ビックリ!です

今回の新しい『欠陥住宅保証』は、欠陥や手抜きを防止する上では、最大の効果を発揮すると思われていますが、又新しい法律を作っても、対応するのは『正直者の建築会社』だけなのではないでしょうか?

 

新しい法律を作っても、満足に機能しないばかりか、建築主に負担をさせて、建築費の更なるUPに繋がるような気がしてなりません。

 

保険料の上乗せで、建築費がUPできればまだしも、UP出来ない場合にはその分、手を抜いて帳尻を合わせるのでしょうか?

 

マスコミの一部もこの部分については、懸念を感じているようで、最近、一般男女1万人によるインターネットによる調査を行いました。

 

その結果、欠陥住宅保険の義務化を『必要』と思っている人79%に達しています。

 

聞き方もあったのでしょうが、

保険料の許容限度については、30%以上の人が10万円程度なら良いと答えており、20万円と答えた人も20%近く存在したのだそうです

こんな事を『質問事項』に入れるから、話がややこしくなるのです。


国交省はこの結果について、「生活の基本である住宅に対しては、一定額のお金を支払っても、安心を得たい人はかなり多い」と分析している、との報道がなされました。

 

これで、欠陥住宅保険は、業界においては『建築主持ち』となることは間違いありません。

 

国交省の北側大臣は7月18日の記者会見で、「民間保険では、故意・重過失はカバーされないのはやむを得ない」との見解を示して、故意・重過失による欠陥住宅の保証については『公的資金での対応』を示唆しました。

 

間違ってもらってはいけないので、断っておきますが、『最初から公的資金を使って保証する』のではなく、『売り主が破綻』した場合のことを言っています。

 狙った制度が崩れます


『国が最後の面倒を見てくれるのなら、国に面倒を見て貰おう』という悪質な建築業者が増える事は必至で、建築業者のモラルの低下を招き、モラルハザードを助長する新法になるのではないだろうか?という懸念がつきまといます。

最後は国が面倒を見てくれると決まった途端に、新しい法律を逆手に取って、計画的に倒産を繰り返す業者が現れることは、想像に難くないのです。

今度はそちら方面の統計もとって『新しい会社は、最低○○年間は新築工事はできない』という法律でも作った方がよさそうです。

不良建築会社による欠陥住宅は新法後も発生し続けるだろうと思われます。

 

拙者が住む、K県の建築事務所協会長のY氏は、こんな事を言っていました。


「新しい法律をつくったり、建築基準法を改正したりすることについては、その時の政務次官が『任期中に、やったことを何か残さなければ・・・』っていう感覚程度でやることなんですから・・・」

 

国交省はいとも簡単に、新築住宅の瑕疵や欠陥などというが、瑕疵や欠陥を証明するのは並大抵なことではありません。

 

皆さんは、自分が建てた家に、瑕疵や欠陥がある!と思った場合はどうされますか?


皆さんは正しく、理解されているのでしょうか?

 

『瑕疵や欠陥がある!』と主張する、建築主の側(皆さん方)で、それを証明する必要があるのです。


まず、専業の建築士(裁判所の委託を受けた欠陥住宅鑑定人もいます)に視てもらって、鑑定書を作成して貰います。


その鑑定書をもって弁護士に相談し、裁判所で争う。

ということになって、大変な時間とお金がかかるのです。

 

欠陥保険加入が義務づけられたとしても、建築業者が簡単に「瑕疵や欠陥」を認める訳はなく、瑕疵や欠陥が証明されるまでには、現状と同等、件数が増えた場合には現状以上の暇と金がかかるのではないでしょうか?

 

新築工事を請け負った建築会社や、引き受け保険会社が『瑕疵・欠陥があること』の証明をしてくれることは、天地が逆さまになっても、絶対にあり得ないのです。

 

仮に、売り主に倒産等があった場合も、引き受け保険会社は、そう易々と瑕疵や欠陥を認めることはしないでしょう。


結局、『新しい法律ができることによって、建築主だけが、バカを見る』そんなことにならなければよいのだが・・・と考えているのは、拙者一人ではなく、他にも大勢居ると思うのですが。。。

 

拙者の『悪い予感』はいつも、妙に当たる。

 

何年か後、『この予感が当たっていなければいいが・・・』と、思うのは拙者だけなのでしょうか?


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