SSブログ
湘南の家づくり ブログトップ
前の10件 | 次の10件

知らない怖さ [湘南の家づくり]

火事.jpg  こうなる前に、「点検」と

「安心・安全の措置」を!



今日の記事は、古い木造住宅にお住いの方への「警報」です。


葉山の或るフランス料理店は、古い木造住宅を店舗に改造して営業していました。

現在は、休業中です。

休業の原因は「厨房からの出火」・・・そうです!火事になったのです。



普通ならば、「厨房の火か、煙草の火の不始末だろう?」と思い勝ちです。

しかし、火の気は全くない時間帯の出火だったようで、消防署と警察の見解は『自然発火』でした。



厨房の熱源前の壁には、防火のために「ステンテス板」が張ってあったそうです。

一般的に防火仕様としてはこれで問題はありませんから、以前はごく一般的に

施工されていた熱源近くの防火の方法です。

しかし、このお店から出火したことで、近隣市町村の火を使う店舗は

消防署による一斉点検、勧告を受けています。



戸建て住宅の場合も、熱源の前に「ステンレス板」が貼ってあるお宅がありますが、

今回は消防署の点検から除外されています。



木材が加熱されると、木材は「蓄熱」し、蓄熱によって温度が上昇して「炭化」が始まります。

炭化が進むと木材内部のセルロースが「熱分解」を起こして 温度が更に上昇し、

最終的には炭化した部分から『自然発火』するのです。


店舗の一般的な厨房の防火仕様としては、「タイル貼り」が主流です。

タイルの場合には、モルタルが下地で更に燃えないタイルを使用するので

安全だと言われています。


個人住宅においては、最近では『キッチンパネル』という不燃材を貼るのが一般的ですが、

建売住宅などは新築であっても 未だに下地の木材にいきなりステンレス板が

貼られているお宅を見かけます。

熱源のそばにステンレス板を貼るのであれば、下地に不燃材の「珪酸カルシューム板」等を貼って

その上にステンレス板を貼るべきなのです。


台所は毎日毎日、長年に亘って火を使う場所です。

熱源近くの防火仕様としてステンレス板が貼られているお宅は、専門家に点検を依頼し、

問題があるようでしたら、本来の防火仕様の措置を講じる必要があります。


消防署員に聞きました。

一般住宅でも、「火の気がない時間帯の、出火の大部分」は、

『寝煙草の不始末』か『木材の炭化による自然発火』なのだそうです。

特に寝煙草で、布団に火がついた場合は要注意。

水を掛けて火を消したつもりでも 布団の中で火種が残っていて、

数時間すると一気に燃え上がります。

木材の炭化によって出火した家は、「みんな、ステンレスが、直に貼ってあった」そうです。



最近は、ご自分で塗装などのリフォームをされる方も増えてきています。

プロはあまり使いませんが、健康志向からアマチュアは「自然塗料」を使い勝ちです。

ここにも、自然発火する要因があります。


自然塗料に「アマニ油」が溶剤として使われていたら要注意。(内容をよく確かめて下さい)

塗料や刷毛を拭き取ったウエス(ボロきれ)を放置しておくと、熱分解を起こして

自然発火します。

こちらの方は「油の発火」ですから、一気に燃え上がって、非常に危険です。



理屈が解れば何でもないことも、知らずにいると大事に至ることもあるのです。


nice!(8)  コメント(9) 
共通テーマ:インテリア・雑貨

大工さんの日 [湘南の家づくり]

img024.jpg 曲尺を持った聖徳太子

ここのところ、大工について書いています。

そこで書きついでに、もう一つ・・・


建築関係者でも『大工の日』があることを知らない人がいます。

「え?!大工の日って、日曜日でしょ?」なんて言わないでくださいよ。

日曜日にやるのは、素人の『日曜大工』でしょ?

私が言いたいのは、本物の「大工の日」なんですけど~^^




大工の日は、「日本建築大工技能士会」という団体が1999年(平成11年)に

制定しています。

その日は聖徳太子の命日、11月22日です。

聖徳太子といえば、必ず『お金に関係する』のではありません。

『大工は儲かるから、聖徳太子にあやかったのだろう?』などと、うがった見方は

しないで下さい。


なぜ大工の日に聖徳太子が関係するかと言えば、次のような理由から。




聖徳太子は、百済から来て日本最古のお寺、飛鳥寺を建てた大工に教えを受けて、

法隆寺を建立しました。

その時に曲尺(かねじゃく)の使い方を教わって、世の中に広めたようです。

そのため聖徳太子は、「曲尺導入の祖」と言われているのです。


『曲尺は大工の命』ということで、大工の日は「聖徳太子の命日」になったのだそうです。


11月が「技能尊重月間」であること、十一を縦に組み合わせると「士」となることも、

その理由の一つだそうです。


大阪の四天王寺には、番匠堂(ばんしょうどう)というお社があり、

そこには、曲尺を持った聖徳太子が祀られています。

毎年11月22日の聖徳太子の命日には、多くの建築関係者が集って法要が行われています。


大工はあまり「かねじゃく」とは言わず、「差し金」といいます。

裏で糸引くとか人をそそのかす・・・なんて意味もありますが、大工が「使う差し金」の意味は

そうではありません。

曲尺は材木や板に印を付け、寸法を出し、そして『刻み』の指示をするための

印をつける道具です。

墨つけが出来るのは、建築工事の全てに卓越した知識と技術を持つ『匠』だけです。

これから建てようとしている家の全てが、頭に入っていないと墨付けはできません。

ということから、私は『指示をするための、直角定規』と言う意味での『差し金』

だろうと思っています。

因みに、今でも大工は、直角の事をカネと言います。



現在では、、まともに差し金を使えない大工も増えており、昔ながらの「木造建築」や

「古い家屋の移築」が出来る大工が少なくなっています。



「大工の日」は、正式には『大工さんの日』です。

「さん」がついているだけで、大変な修行をしてきた人への「敬意」を感じて、

何となく、ほのぼのと心安まる思いがするのは私だけでしょうか?



nice!(7)  コメント(9) 
共通テーマ:インテリア・雑貨

『匠』(たくみ) [湘南の家づくり]

sumitsubo.jpg

昨日は『叩き大工』について書きました。

建築関係の方はよくご存じでしょうが、それ以外の方に『匠』はどのようにして育ってきたのか?

を書いてみましょう。



大工になろうと思う人は、よくよくの覚悟がなければ修行はつとまりませんでした。


中学を卒業すると、親元から離れて『親方』の家に住み込みで働きました。

これを『年季奉公』といいます。


年季奉公は大体5年間ぐらいですが、その間は衣食住の面倒はみてくれますが、

「全くの無給」です。

朝早くから暗くなるまで 現場で親方の手元として働くほかに、

親方の家の家事(炊事・洗濯・掃除など)もやらされます。


手元というのは親方の手助けのことで、道具を持ってくるとか、材料を切る際に押さえるとかの

誰にでも出来る簡単な仕事のことを言います。

手元から徐々に、簡単な仕事は見て覚えなければなりません。

昼間は親方の目の届く範囲で手伝うため、覚えの悪い子などはしょっちゅう親方の罵声を浴び、

時には「げんこつ」だけに留まらず、「ノミやげんのう(金づち)」が飛んでくる事もありました。


年季奉公の期間が終了すると、『年季明け』といってこの時点から初めて「雀の涙ほどのお給金」

が貰えるようになります。


これからが本当に大変な修行の時期を過ごすことになるのです。

ノミやカンナの使い方更にはそれらの研ぎ方、鋸の使い方や目立てのやり方を一つひとつ

覚えていきます。

まともに道具を扱えるようになるのには、やはり5、6年は必要です。

この期間には、最も大事な『材木』についての、勉強もしなくてはなりません。



これで「晴れて独り立ち」か? というと、そうではありません。

ここまでが、どこに出しても恥ずかしくないレベルに達すると、次は『墨付け』を覚えます。

構造材の位置を決める印を「数字やいろは」などの記号で材木に落としていくのです。

柱や梁に穴をあける場所も、この墨付けで決まります。

これを間違えたら、とてもまともな家にはなりませんし、一本なん10万円もする材木を一瞬にして

「パ~!」にしてしまうことになってしまいます。


墨付けに使う道具は、「墨つぼ」と竹で作られた「墨さし」そして直角に曲がった「曲尺」(かねじゃく)

だけです。

墨付けは、バカでは絶対に出来ません。

なぜなら、墨付けには√(ルート)や三角関数などの「高等数学」が必要なのです。

修行をした大工は、曲尺一本で、どんな角度でも出す事が出来ますし、

どんな径の円でも書けるのです。


こうして、間違えることなく全ての事が出来るようになるまでに、

20年以上の長い時間をかけて一人前に育ちます。


これで、ある程度は解っていただけたのではないでしょうか?

最近は、ホームセンターへ行けば、いい道具やいい工具が安価で売られています。

しかし、技術だけは安直に修得することはできません。



建売住宅では、殆ど若い大工が建てています。

ということは・・・いい加減な修行しかしていない『叩き大工』や『雪隠大工』が

家を建てていると言っても過言ではないのです。

ハウスメーカーが建てる家は規格住宅ですから、決まり決まったことだけが出来れば

それでいいのですが、大工は殆どが材料を取付けるだけの「アッセンブリー屋」です。

このような大工に木造住宅を造らせると、「納まりが、なっちゃいない家」が出来上がるのです。



15才で親方の家に住み込んで、独り立ちさせてもらえるのは早い人で35、6才。

雀の涙ほどのお給金を無駄遣いせず、少しずつ貯めては必要な道具を買いそろえます。

だから、辛くて長い修行に耐えてきた、本物の大工はそれはそれは道具を大事にするものです。


私が仕事で付き合っている大工は、皆このような本物の匠ばかりです。

しかし、彼らも人の子・・・みんな歳をとって老眼鏡が手離せない年齢になっています。

最近、このような大工になんとか『一世一代の仕事』をさせてやりたいと願っています。


彼らはいつも、私にこう言うのです。

「俺らは家を造ることしか能がない、社長みたいに学もない・・・だから、一生懸命

家を造るしかないんだよ。絶対に『欠陥住宅だ!』なんて言われないように・・・

俺が死んでも、俺が造った家は残るからね!いつまでも可愛がって貰えるように、

心を込めて造るんだよ!」


大工が1棟の家を建てるのに、関わる時間は長くて3ヶ月。

大工は出来上がった家が、どのように仕上がったのかを目にすることはありません。


それでもこのように考えて家を造ってくれる、『本物の匠』に仕事をして貰っていることに、

大きな『誇り』を感じています。

nice!(9)  コメント(11) 
共通テーマ:インテリア・雑貨

叩き大工 [湘南の家づくり]

HIMG0002.JPG  釘は真っ直ぐに打たないと、このように・・・

『ひどい家』に出会いました。

一目見て「あ!この家は素人がつくったな?!」と、そう思ったのです。

色んな所の『納まり』(作り方)がなっちゃいなかったから・・・



家は『総持ち』といって、1ヶ所や2ヶ所ぐらい弱いところがあったとしても、

そう簡単に壊れたり倒れたりするものではないのです。


簡単には建替を勧めない私ですが、流石にこの家だけは『建替えた方がいいかも?』と

思ったほどでした。


「どこの工務店でお建てになりました?」

「東京に住んでいたので、不動産屋さんの紹介で『叩き大工さん』に建ててもらったんですよ」

「え?叩き大工って、誰かが言ったんですか?」

「はい、大工さんがご自分で・・・俺は叩き大工だから仕事が速いって!」


「へ?・・・あっ!そ~なんですか?」

「叩き大工って、『叩きあげられた腕のいい大工さん』のことなんですってね~?!」

思わず、コニコ微笑みながら話すこの家の奥さんの顔を呆気にとられて見てしまいました。



大工も色々です。

叩き大工のことを、別名『雪隠(せっちん)大工』とも言います。


叩き上げのしっかりした腕を持った大工のことではなく、

『釘もまともに打てず、あらぬ所を叩いてばかりいるような』下手な大工。

『雪隠(便所)ぐらいしか造れない、未熟な大工』を指すのです。



この家は建てられてようやく16年・・・本来であればこれから本当の味が

出てくるところです。

しかし、この家は『どうにか建っている』だけで、少し大きな地震でも心配でした。


最近、『叩き大工』や『雪隠大工』等という表現はあまり聞きませんが、

腕のいい、本物の大工が極端に少なくなってきました。


木造住宅の技術は親方から弟子への『伝承』です。

しかし、最近の若者は「修行」を嫌って、技術の習得は長続きしません。

本物の職人は、みな歳をとってきました。

その道に精通し、完璧に技術を収得した職人を『匠(たくみ)』といいます。

『匠の家』などと、今後もコマーシャルの釣り文句としては使われて行くでしょう。


匠という文字と言葉だけは残っても、本物の匠が実在しなくなるまでに

遺された時間は『あと10年』あるでしょうか?。

『時間がない!』・・・・私はそう思っています。



いろいろな世界で職人の技が廃れようとしていますが、

建築業界にも同じ兆しが見えているのです。



nice!(8)  コメント(4) 
共通テーマ:ショッピング

材料は選ばねば! [湘南の家づくり]

HIMG0017.JPG 

家の塗装・・・特に木部を塗る塗料には何を使うか、指示をしていますか?

新築の場合には、建築士さんが設計図に使用する塗料名を書き込んで指示をしてくれます。

しかし、一つ間違うと・・・



お年寄りは「昔の塗装はもったのに、最近の塗装はすぐにダメになる」と言います。

素人は理由や作用は知らず勘で物を言いますが、結構「いいところ」を突いてきます。


40年前に塗装をして、未だに何ともないお宅を私は知っています。

現在の塗装は5~6年で塗り替え、昔の塗装は40年以上・・・何が違うのでしょう?


ウレタン塗料やセラミックシリコン塗料などが、最近の塗料の主流ですが、

使われるのは全て乾きが速く、使いやすい(作業性が良い)石油化学製品の

塗料です。



私は今まで事ある毎に『石油から作られる物に、良い物は何も無い』と言ってきました。

塗料さえも例外ではありません。


昔の塗装の剥がれ方と、現在の塗装の剥がれ方は全く違います。

現在の塗料を塗った剥がれ方は、元からすっかりなくなって、木肌が剥き出しになってしまいます。

それだけではありません。

石油精製品から作られる『溶剤』(シンナー)は、一端木質の中まで入り込んでから乾燥します。

『乾燥の歳には本来木が保有していて木質を腐れから守っている、有用な脂分』まで

引っ張り出して乾くのです。

木部はカラカラに乾燥しきって、水をどんどん吸い込む状態になってしまいます。

つまり・・・現在の塗料を塗って剥がれたままにしておくと、木部は多量の水を吸って

すぐに腐ってしまうのです。


かたや、昔の塗装はと言えば・・・塗膜(塗装の被膜)が徐々に薄くはなりますが、

何十年経過しても「剥がれて、木肌が剥き出しになる」ことはありません。


「昔通りの塗料を使えば、問題ないじゃないか?」と思われるかも知れませんが、

昔通りの塗料は作業性が悪く、現代の忙しい世の中ではとても受け入れられません。


『作業性はやや劣るものの、もちが良く 現代においても、なんとか使えなくはない』

という塗料は、現在でも存在します。

私が薦める木部の塗料は『油性調合ペイント』 

塗料を溶かしたり薄めたりする溶剤には『ボイル油』を使います。

下塗りには『プリマ油』か『油性調合ペイント下塗り』を使いますが、

これらを使うことによって木質に脂分を追加補給しながら、ある程度の作業性も

確保することが可能です。(実際の所、イヤになるほど乾きは遅いデス)




最近の塗装屋さんに「『油性調合ペイント』で塗装をしてください」

と言ってみたところで、見たことも・聞いたことも・使ったこともなく、

溶剤には何を使ったらいいのか?も知らず、塗料の利点や欠点についての説明も

できないことでしょう。

それに乾きが遅く「次の塗り替えが30~40年先」ということが判ると、

それだけで敬遠してしまいますが、解ってくれる塗装屋さんも必ずいる筈です。

だって、『乾きが遅いほど、長持ちする』は塗装業界の常識なんですから。


建築士さんは設計図に、木部や鉄部に使う塗料を、『OP』と書いて指定します。

OPは「オイルペイント」の略で、『油性調合ペイント』を指していますが、

実際に現場で使われる塗料は、ほぼ100%が『SOP』です。


SOPは『合成樹脂調合ペイント』のことで木が剥き出しになる剥がれ方をする石油化学製品。


建築士さんが指定する以上、メーカーとしては作らない訳には行かないのですから、

設計図に『OP』と書き込んだ設計士さんは、最後まで見届けて欲しいものです。


いずれにしても現在の所、石油化学製品ではない塗料は少ないですが存在しています。

特に雨がかかる部分に木が使われているお宅では、『塗り替えの度に、家の腐れを早めている』

と考えても決してオーバーではありません。


塗料の希釈に『塗料用シンナー』や『ラッカーシンナー』 などの『シンナー』と名が付く

『石油化学溶剤を使わない塗料』を使えばいいのですから、事は簡単です。


とは言っても、石油から作られてない塗料は、良いことばかりではありません。

作業性に劣ること、艶が引けることやコケが生えやすい欠点もあるにはあるのですが・・・



現在は素人の方でも、ある程度までは知るために勉強出来る環境が整っています。

なにかしら行動を起こそうと思ったときは、先ず勉強をしてから・・・にしませんか?

家に塗る塗料一つ取ってみても、奥が深~いのですから。。。




nice!(9)  コメント(4) 
共通テーマ:インテリア・雑貨

無垢材の力!! [湘南の家づくり]

HIMG0018.JPG 判りやすいように、上下に重ねています。


今日は、『いいもの』をお見せしましょう。


重ねたアクリルの箱・・・下の箱の中を見てください。

箱の中の壁は『石膏ボード』プラス 『ビニールクロス貼り』で、

床は『パーケットフロア』で仕上げてあります。

パーケットフロアって、どんなものだか判りますか?

そう、現在・・・日本の殆どの家に使われている約30㎝幅のフロア材です。


本物のフローリングとは全く別ものですが、一般的には、『フローリング』と呼ばれています。




HIMG0020.JPG 下の箱を拡大した写真です。

中に入っているのは「食パン 一切れ」・・・ご覧の通り、濃い色が付いています。


カメラの性能と私の腕が悪くこのように写っていますが、実際は『濃い緑色』


その正体は・・・カビ!



次にこの写真を見ていただけますか?

HIMG0019.JPG 上の箱の拡大です。

壁と床は『無垢板』で仕上げてあります。

よ~く ご覧下さい!・・・カビは?



新建材と無垢材の違いは、吸放出性と呼吸性・・・無垢材が湿気を吸ってくれています。

日本は湿気が非常に多い国です。

湿気は家だけではなく、人間にとっても大敵なのです。

湿気が原因で重大な病気に罹ることもあるのですから・・・

無垢の柱1本で、年間にビール瓶3本ほどの湿気を吸う力があります。

家1軒分となると、なんとドラム缶3本もの水分を吸ってくれるのです。

乾燥が激しい季節には、溜めた水分を吐きだして室内の湿度調整をしてくれています。

しかし、折角家の構造を無垢の木で造っても、内装を石膏ボード・ビニールクロスで

仕上げたのでは台無しです。






現在の日本の家の内装は、殆ど『新建材』

これから、一年中で湿気が最も多い季節を迎えます。

目に見えなくても、部屋の中は『もの凄いことになっている』のです。


如何です?

内装が新建材の家にお住まいの方。


この際に【木装リフォーム】を考えて見ませんか?






nice!(5)  コメント(4) 
共通テーマ:インテリア・雑貨

住宅新法の考え方(生き残り術) [湘南の家づくり]

kensa021.gif
kensa032.gif

保険住宅は、第三者機関の検査をこんなに受けるんです。

しかし、供託住宅は、検査が全く免除・・・何だか変ですね!




前回からの続きです。

今日は、町の中小・零細工務店が、どうすれば生き残れるか?

生き残るための、一つの提案です。


ところで、瑕疵とは以下のようなことを言います。

瑕疵

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

瑕疵(かし)とは、ある物に対し一般的に備わっていて当然の機能が

備わっていないこと。

あるべき品質や性能が欠如していること。欠陥(厳密には、瑕疵≒欠陥であり、

瑕疵⊃欠陥の関係である。瑕疵は単なる不完全、欠陥は安全に係る不完全を指す)





『保険住宅』は零細・中小業者とお客様の双方にとって、一つだけ良いことがあります。

瑕疵が生じた場合、「保険住宅は、住宅紛争処理機関の支援」を受けられて、

弁護士などの専門家が力になってくれますが、

「供託住宅の場合には、住宅紛争処理機関の対象外」となり、支援を受けられません。

つまり、家を新築した個人が、大手ハウスメーカーや不動産業者との話し合いが

つかないときは、『裁判で決着を図るしかなくなる』のです。


この法律の施行で、「供託」が出来る大手のハウスメーカーや不動産業者は、

第三者機関の検査を免除され自主検査だけで済むことになって、

瑕疵がある住宅が蔓延する事になりそうです。

過去の経過を見てもそれは火を見るよりも明らかです。

大手企業は、「瑕疵だ」と騒ぐ消費者に対しては、今まで以上に積極的に

裁判に持ち込んで、事を有利に運ぼうとするでしょう。


ところで、「大手ハウスメーカーが建てる住宅には瑕疵はない」

と思っていませんか?

それこそ、飛んでもない勘違いで、現在でも裁判沙汰になっているケースが

最も多いのはハウスメーカーが建てた住宅なのです。

建築主側から訴えるのではなく、ハウスメーカーの方から裁判に持ち込まれる

ケースが殆どだと言われています。

大手企業には、瑕疵について専門的に勉強をした弁護士もついていることを

忘れてはいけません。




私はもっと高いと思いますが・・・

ハウスメーカーが建てる家は、私たち町場の工務店が建てる家よりも、

「3割以上高い」と石原都知事も公言しているように、実際建築金額は

遙かに高いのです。


最近では、町の工務店といえども「有名デザイナー」や「照明プランナー」を

動員して、デザインや住まい心地もハウスメーカーに勝るとも劣らない住宅を

造れる工務店も存在しています。

そのような工務店の金額でさえも、まだまだハウスメーカーには遠く及びません。



ハウスメーカーの自主検査任せでは瑕疵は防げません。

「ハウスメーカーとは無縁の建築士」を自ら雇って工事の監理をさせないと、

瑕疵のない住宅は建たない時代になりそうです。



そして、大手不動産業者が販売する「分譲住宅」は、如何にデザインが良くても

一躍、買ってはいけない住宅の「代表選手」に躍り出ることでしょう。

分譲住宅こそ、検査がないと「何をされているか判った代物ではない」からです。




こうして改めて考えてみると・・・

大手企業が建てたり、販売する新築住宅に何らかの瑕疵があったとしても、

結局『泣き寝入りせざるを得ない』ことになるのが、今回の新法だといえます。



しかし、『物は考えよう』です。

国土交通省は、私たち零細建築業者が生き残るために「粋な計らい」を

やってくれました。


それは『町場の零細・中小企業が生き残れる余地を残してくれたことです。



大手企業が選択するであろう「供託住宅」は『第三者機関が検査をしない』

だけではなく、『瑕疵が生じた場合には、大手企業と直接交渉して解決』

を図らなければならない「厄介な住宅」となるからです。


私たち町場の工務店は、これまでもこのような保険や供託があろうとなかろうと、

建てた住宅に何らかの問題が生じれば、すぐに駆けつけて対処するなど、

地域のお客様からの信頼を得てきています。


こんな下らないザル法のために、全国にはびこる『瑕疵住宅』を蔓延させては

ならないのです。


町場の中小・零細工務店は『第三者による3回もの検査』を「煩わしい」と思わずに、

逆手に取って利用したら如何でしょう。



そして、「保険料」の建築主への転嫁は逆効果となることを肝に銘じることも大事

です。


私たち町の中小・零細建築業者としては、

『いい意味での差別化を、声高に叫ぼうではありませんか?』



『他人の検査を3回も受けている、安全安心な住宅』であることを

強くアピールして、これからは、町場の工務店が建てる住宅の方が、

『大手が建てたり、販売したりする住宅よりも遙かに安価で優良』であることを・・・



nice!(9)  コメント(15) 
共通テーマ:インテリア・雑貨

住宅新法の考え方(なりたち) [湘南の家づくり]

ill_01.gif


少し難しい話になるかもしれません。

ゆっくりお読み戴けたら、幸です。

長くなりますので、2日に亘って書いていきます。


耐震偽装の姉歯事件をきっかけとして、『住宅瑕疵担保責任履行確保法』が

制定され、「来年(2009年)10月1日以降に引き渡す住宅」について、

「供託金」もしくは「保険加入」が義務づけられることになりました。


これまでは2000年度に施行された「住宅の品質確保の促進に関する法律」で、

10年間の『瑕疵担保責任保険』がありました。

この『瑕疵担保責任保険』への加入は任意でしたが、今回の『住宅瑕疵担保履行法は義務』

として施行されます。


今回義務付けられる対象となる事業者は、「注文・賃貸住宅の請負人」(建設業者)と、

「分譲住宅の売り主」(宅地建物取扱業者=不動産屋)です。


問題は『大手のハウスメーカーや、大量販売する大規模不動産業者』ほど、

1戸当たりの負担が軽くなっていることです。

過去10年間の建築戸数や販売実績で負担する金額が決まりますが、

1戸しか建てていないような零細工務店の場合の供託金は2000万円、

2万戸を新築もしくは販売している大手企業は、1戸当たり3万円と極安です。


10年間で1戸だけ造っているような町の零細・中小企業が2000万円もの『無駄金』を

10年間もの長期に亘って寝かしておける状態ではないことが解っていながら、

このような理不尽な法律が出来上がりました。


供託が出来ない零細・中小業者のためには『保険』が用意されてはいるのですが・・・。

保険料は国会答弁を聞く限り、「1戸しか建てられない業者の場合で、8万円ほど」

になるようです。


問題はまだあります。

大手業者が選択するであろう供託金は、瑕疵がなければ『10年後には全額戻ります』

しかし、零細業者が加入する保険の場合は、瑕疵があろうとなかろうと『掛け捨て』です。

そして、『保険住宅には、第三者機関による大変厳しい検査』が何回もありますが、

『供託住宅は検査が免除される』のです。


何故、このような零細・中小建築業者を切り捨てるような法律になったのか?

それには、以下のような「からくり」が見え隠れしています。

国土交通省は、2006年4月から6月にかけて「瑕疵担保責任研究会」を開催しました。

その時の「報告書」を『社会資本整備審議会建築部会』に提出したところ、

「事実上、保険加入の一律義務化」につながるとして、建築部会から反発が起きました。

これをきっかけに、国土交通省は「保険」と「供託」の2本立てを再提案したのです。

社会資本整備審議会建築部会には、大手ハウスメーカー住友林業(株)の取締役社長も

名前を連ねているのです。



こうして大手ハウスメーカー及び大手不動産業者を優遇する『供託制度』が出来上がり、

零細・中小企業は『過酷な保険加入』を余儀なくされる法律の出現となったのです。



このように、中小・零細業者にとっては大変な法律の出現ですが、

次回は、それでも「生き残る道はある」をテーマとして書いていきます。


nice!(6)  コメント(4) 
共通テーマ:インテリア・雑貨

大丈夫か?その珪藻土! [湘南の家づくり]

珪藻土顕微鏡.jpg 珪藻土の顕微鏡写真です。

リフォームでも新築でも、最近は必ず聞かれます。

「珪藻土にしたいんですが、高いんですか?」


それに応えて「建材はファッションや髪型と同じではないので、

『流行』には流されないで下さい 」と言っています。

「良く勉強してからにしましょうよ!」とも・・・


さて、『猫も杓子も珪藻土ばやり』ですが、『エコ先進国ドイツ』

では、珪藻土の使用が禁止されていることをご存じですか?


珪藻土は植物プランクトンの死骸が化石化したものですが、多孔質で

化学物質などの有害物質をを吸着する事だけが有名になりました。

しかし、採取したままでは中に微生物が生息していて使えません。

そのために500℃~1000℃以上の温度で『焼成』されて製品化されて

いるのです。

900℃を越える温度で焼成された珪藻土は、多孔質と言われる孔が塞がって

有害物質を吸着しないどころか、珪藻土がガラス質の『結晶シリカ』に変わる

と言われています。

おまけに樹脂で固められていて、ただの『塗り壁材』になりさがったものが多いのです。


塗った珪藻土が経年劣化すると、鋭利なガラス質が『結晶シリカのパウダー』として、

室内空間に舞い散ります。

そこで生活をする人は、それを吸ってしまうことになるのです。


実は、珪藻土は肺に入ると、アスベストと同じように『肺腫』や

『珪藻土肺』を起こすとされている、とても危険な物質なのです。

国連の下部組織LARC(国際癌研究機構)やWHO(世界保健機構)

では、結晶シリカの発ガン性は、『最も危険なランク』とされている

『アスベストと同じ、グループ1』に分類しています。


一寸、アスベスについての、日本の対応を考えてみてください。

国連の下部組織LARCやEPA(アメリカ環境保護庁)は、

数10年も前から「強力な発ガン性」があるとの警告を発しており、

欧米諸国では、とっくに使われなくなっていたアスベスト。

日本では数年前から、やっと重い腰を上げて使わなくなりましたが、

一部未だに使われているものあるのです。


シックハウス症候群でホルムアルデヒドだけは規制され、

F☆☆☆☆の建材なら『絶対に安全』だと思われ勝ちですが、

ホルムアルデヒドを吸着するキャッチャー剤の添加については

誰も言いません。

キャッチャー剤の添加で、新たな化学物質被害を生じているかも

知れないのに・・・です。

そして、建材メーカーに遠慮して、規制しているのは今のところ

ホルムアルデヒドだけなのです。

他の化学物質を発散している多くの建材は、何の問題もなく流通して

皆さんの家に使われているのです。


日本のこのようなお粗末な対応は、一般ピープルには発表されません。

いつも言うことですが、『国は国民を守ってはくれない』のです。


このようなことは、なかなか知る機会もないので、せめてそれを知り得た者は

『声を大にする必要がある』と感じています。


珪藻土について・・・私は断言します。

『数年後には間違いなく、マスコミが大騒ぎを始めます』

何しろ、グループ1といえば、恐ろしいアスベストと同じランク

なのですから。


ここで一つ重大なるご注意を・・・

最近、壁などに珪藻土を塗る素人の方がいらっしゃいます。

リフォーム業者なども人を集めて『塗り方実演』『実践教室』

『塗り方体験』などを開いているようです。

そこでは『珪藻土は眼に入ると、失明の恐れがある強アルカリ性』

だということは、教えてはくれません。

袋から出して練り混ぜたり攪拌したりする際には、舞い上がる珪藻土の

パウダーを吸わないための『粉塵用のマスク』と眼を守る『防塵メガネ』が

必要なのです。


では、珪藻土は塗らない方がいいのでしょうか?

そうは言いません・・・中には『いいもの』もあるのです。

だから『勉強しなさいね』と申し上げているのです。



私は、どうせ自然素材を塗るのなら、「昔からあって、塗り方も職人も

確立しているものが他にもありますよ」とも言っていますがね。


nice!(7)  コメント(10) 
共通テーマ:インテリア・雑貨

考えなくちゃ、ダメなんだよ! [湘南の家づくり]

ブルーシート.jpg 皆さんご存じの・・・ブルーシート

壁装材として、一番使われている、ビニールクロス。


『ビニールクロス』または『ビニール壁紙』などと言われています。

誰が名付けたのか? 実に『うまいネーミング』だと感心してしまいます。




「壁と天井には、ビニールシートを貼りましょうか?」と聞かれたら、あなたはOKしますか?


『かべがみ』なんて名前は『紙』みたいですが・・・

基本的に、ビニールクロスは『ホームレスが家として使っている、ブルーシート』と同じもの・・・

即ち、塩ビシートなのです。


家に使われるものとしては、ブルーシートそのものを貼った方が、まだ健康的で安全かも知れません。




あまり聞き慣れない言葉かも知れませんが、VOCという言葉を聞いたことが

ありますか?

VOCとは、揮発性有機化合物の総称で一般的には、『発ガン作用がある』など

『有害』とされている化学物質です。

ビニールクロスには、安全品質基準として100μq/qと規制しています。

ということは・・・発ガン作用があるものが使われているのです。


ビニールクロスには色をつけたり、凸凹模様が作られたり、模様が印刷されたり

しています。

これには、TEX芳香族と言われる化学物質が添加されています。

TEXとはトルエン・エチルベンゼン・キシレンを指しますが、この3種は印刷インクの溶剤

として使われている芳香族溶剤です。

芳香族溶剤は、通常の溶剤よりも『毒性が強く』、2000年には当時の

厚生省(現:厚生労働省)が室内の濃度指針を公表しているほどです。


ビニールクロスはTEXの放散量について、『一定の濃度まで』として規制されていますが、

「使われていること自体が問題」だとも言われている化学物質です。


『害がある』ことはそのままにしておきながら、放散して室内に充満した『毒性の強い化学物質』に

ついて、一定の濃度指針公表など、国の姿勢もチャンチャラ可笑しいのです。



知られていないところでは、『重金属』も使われています。

人は何も考えず、「防カビ仕様にしようか?」「抗菌もいいね!」などと、カタログから

選んでいますが、重金属は「顔料」・「安定剤」・「防かび剤」・「抗菌剤」などとして、

使用されています。


驚くことには、一応数値を設定して厳しく管理していると言われてはいますが、

「砒素」・「クロム」・「水銀」・「セレン」などの『猛毒 重金属』までが使われている

ことです。


そして、私が以前から問題にしてきた可塑剤。

ビニールクロスに使われている、可塑剤のパーセンテージは大きく、全材料の

20%~60%もの量が使われていると言われています。


可塑剤には『環境ホルモン作用』があることが、既に判っています。

環境ホルモンは「遺伝子攪乱物質」と呼ばれて、遺伝子に傷を付けます。

傷が付くと人はスイッチが切り替わって、本来とは違った方向に向かって

しまうことがあります。


スイッチが切り替わった先にあるものを一つ例に挙げると、最近『若い男性』に

非常に増えている、『性同一性障害』があります。


体に女の子の特徴を持つ、『尿道下裂』と呼ばれる障害を持つ男の子も産まれています。


このような障害は『不可逆的傷害』と呼ばれて、治る可能性は『ゼロ』




人が長い時間を過ごす『家』の材料としては・・・

化学物質を含む建材は『百害あって一利なし』


化学物質を含む建材とは、石油化学製品全般を指します。


その最右翼が最近の家の、部屋中に貼られたビニールクロス。


その他にも、水廻りの床に、よく使われているクッションフロアや偽物フローリング・

ドアや巾木に至るまで、ありとあらゆるものに石油化学製品が使われています。


ビニールクロスは結露を増幅します・・・その証拠に、クロスを剥がすと、裏側にはビッシリと

カビが生えていることが多いのです。

ビニール製品は、『静電気』を発生して、埃を集めます。


世の中、健康志向だそうです。

『ほんとかな?!』・・・・・これから長い時間を過ごす子供達の健康のためにも、

もっとしっかり考えて、もっとしっかり勉強しましょうよ!





nice!(5)  コメント(8) 
共通テーマ:インテリア・雑貨
前の10件 | 次の10件 湘南の家づくり ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。